さらに視聴者の心を震わせたのは、娘の生後6カ月を祝うハーフバースデーのシーン。
家族3人の写真を撮ろうとしてスマホをセッティングしていた宏樹。画面越しに見えた妻と娘・栞の姿に、ふと宏樹の動きが止まった。本当なら幸せしかない瞬間。でも、生まれてから慈しんできた娘と自分は血がつながっていない。宏樹にとって大切な“宝物”になった家族には偽りがあった。映し出される宏樹の後ろ姿にそんな思いがよぎる。
そして、たまらず泣き出した宏樹。不思議に思う美羽が「宏樹?」と声をかけると、「ごめん…栞、おっきくなったよね」と必死で言葉をつむぐ。
続いた「あぁ、泣き虫だな」という言葉は、第1話の新婚当初の回想シーンにあった美羽につられてもらい泣きしていたことにつながり、本当に元の優しい宏樹に戻っているのだと感じられつつ、涙があふれ出してしまう気持ちが痛いほどに伝わってきた。
SNSには「宏樹に田中圭キャスティングした人最強すぎる。こんな涙みせられたら全人類宏樹の味方だよ」「あの宏樹はきっと、『田中圭』にしかできない」「田中圭さんのすごさを思い知らされた」「田中圭という俳優にただただ圧倒されて…」と称賛の声が続々と寄せられている。第1話の嫌悪感を抱くようなモラハラぶりから、ここまでの振り幅で引き付ける演技力は見事だ。
ラストは、美羽に黙って栞を連れて海に向かった宏樹。「壊れてしまいそう」という心配が当たらないことを祈るばかりだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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