前島亜美「厳しい言葉を向ける“第三者のジャッジ”が怖かった」アーティストデビューで語る“歌う決意”

2024/11/19 08:30 配信

音楽 インタビュー

「Determination」は過去の日記から掘り起こした自分のドラマ

※提供写真


――ポップな曲にバラード、コミックソング的なものと十種十色の収録曲となったアルバムです。前島さんが曲を通して大事にされていることはなんでしょう?

ディレクターさんと相談してではありますが、一番大事にしたい、ブレたくないところはドラマ性です。かわいいキラキラした曲でも、格好いい曲でも、そのジャンルを歌うだけでなく、人間として今どういうことを感じているのか、人生のどういった場面なのか、これまでをどう生きてきて、だからこれから歌いたい歌はこうなんです、という部分です。

ライブにしても演劇的というか、喜怒哀楽、起承転結のストーリー性を感じさせてくれる構成が好きなので、その瞬間瞬間の人間的な面を大事にしたいと思っています。なので、音楽性もこれと決めず、その時々に合った曲作りをしたいと思っています。

――今回のアルバムでは「Determination」と「Azurite」の2曲で作詞をしています。作詞は初挑戦ですが、ワードチョイスやインスピレーションはどう得ていったのでしょうか?

これこそもう、何をどうすればいいんだろうっていう感じでした。最初は本当に立ち尽くして、それでまず始めたのが、ここ数年の日記を全て読み返すことです。今まで自分がどういう気持ちで歌に向き合ってきたのか。、応援してくださる皆さんへの気持ちとか、何年前のこのときはこういうことを思っていたんだな、とかを振り返って、今また心が動いた言葉を別のノートにまとめていく。そのノートに溜まった言葉から曲の筋を考えて、絶対に入れたい言葉をはめていって、最後にタイトルを付けて。それでできたのが「Determination」です。

そのとき意識したのは、絶対に“独り言”にしないこと。自分の思いだけど必ず相手が存在していて、それは過去の自分であったり、応援してくださる方々であったり。相手の顔が浮かぶ言葉になるように、というのは一番意識した点です。

あとはスタートでありながら、いつどのタイミングで歌っても私自身が背中を押されるような曲に。これを聴けば初心に返れるような、何年経っても大切に歌える曲にしたいという思いで歌詞を書きました。

――自分を元気づけたいけど、お客さんにも元気になってほしいというか。ご自分の日記から飾らない言葉を取ってきたからこそ、その両立ができたんでしょうね。

そうなのかもしれないです。他にも周りにいてくださる方々、今支えてくださっている方々からいただいた嬉しかった言葉というのも入っていて、アウトロにある「辿り着ける どこまでも」という一節は、今まさにお世話になっている事務所の方々と話していたときにかけられた言葉なんですよ。

これまでのことから、どこにいくかは全て地続き。最終的にどこに辿り着くかに意味があると思うよ、というお話にすごく心を打たれたんですよね。それでこのワードを最後に持ってきたんです。何気ない言葉1つでも、けっこう思いを込めて書けたかなと思います。

アーティストカラーにした“白群”はファンに寄り添う気持ちの色

前島亜美1stアルバム「Determination」※提供写真


――もう1つの作詞曲「Azurite」はどうでしたか?

Azurite(アズライト)は石の名前で、和名だと藍銅鉱。これを砕いて作る岩絵の具の色を白群といいます。水色に近い青色で、私、こういう色が昔から好きなんですよね。以前に出した「白群」という写真集もそこから取っていて、自分にアーティストカラーを付けるならやっぱりこの色だなって。ライブのとき、水色のサイリウムで照らしていただけたら嬉しいなと思って書いた詞です。

――アルバムの10曲目、締めに置かれた曲ですね。

本当に10曲目(10番目)にできた曲なんです。「Determination」はアルバム制作が始まる前の、旅が始まるという心境で書いた曲ですけど、「Azurite」は9曲完成させて、いよいよファーストライブに向かって、そしてそこから長いアーティストとしての旅路が始まるという対の思いを込めています。それを応援してくださるファンの方1人1人に向けた思いでもあるという。

曲名を白群ではなく「Azurite」にしたのもそういうことで、白群を作る1人1人のアズライトという原石…ファンの皆さんに寄り添いたいという思いで書いていて、サビの追っかけ部分は一緒に歌っていただけたら嬉しいなと思います。

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