コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はSPコミックス mimosa(ミモザ)の『LOVELY INUMIMI DARLING』より、作者の吉田ゆうこさんがXに投稿された『大学の先輩(攻)にイヌ耳が生えていたBL。』をピックアップ。
2024年10月11日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、吉田ゆうこさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
静かな時間を好む奥久志。騒がしい大学構内で彼が唯一落ち着ける場所といえば、研究室と二人しか在籍していない釣りサークル。いつものように静かなサークルの部室で一人まどろんでいると、入部希望の保科がやってくる。一人でペラペラと自己紹介を始める保科。急に騒々しくなる部室。
奥は他の釣りサークルを勧めるが、ゲイを公言する保科は、いつも恋愛沙汰で揉めてしまうから小さなサークルがいいと言う。明るく人懐っこい保科と一人で穏やかな時間を過ごしたい奥。保科の出現で静かだった奥の生活は突然騒がしくなり、ある日、隠していた犬耳を保科に見られてしまうのだった…。
――『大学の先輩(攻)にイヌ耳が生えていたBL。』としてご投稿されたエピソードは、SPコミックス mimosa(ミモザ)の『LOVELY INUMIMI DARLING』の一話ですが、創作したきっかけや理由などをお教えください。
もともと動物が好きで、イヌ耳・ネコ耳はいままでもイラストや読み切り漫画で描いてきたテーマでした。
今回、連載の企画段階ではキャラクターデザインはほぼそのまま、ストーリーだけ別のものだったのですが(初期案は弁護士ものでした)物語に”かわいい”を詰めたいとの思いで、自分の好きな動物もので描くことに決まりました。
結果的にふわふわのケモ耳を沢山描けて、うれしかったし楽しかったです。
――犬耳と吉田ゆうこ様の世界観がすごくマッチしていてとても素敵ですが、キャラクター設定はどのように思いついたのですか。
奥先輩は、硬派…というとすこし違うかもしれませんが、頭はいいけど堅い性格で、これは最初から決まっていました。その性格と同時にビジュアルとしてメガネキャラの部分も決まっていました。
メガネのキャラクターは作画が大変なのでずっと避けていた設定だったのですが、今回いよいよ…という気持ちでした。(もともとメガネキャラがすごく好きなので今回しっかりと描けてよかったです!)
保科くんは先に決まっていた奥先輩の真逆です。奥先輩の性格だとものすごく引っ張って貰えないと変わっていくことが難しいと思うので、ちょっと強引くらいの性格づけにしています。見た目は男女問わずモテる、愛嬌のある設定から現在のビジュアルになっています。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
実在の場所が所々出てくるので、そこに注目していただけたらうれしいです。2話の旅行先と最終話のデート先が特にわかりやすいと思います。どちらも実際行ってきた場所なので、その場所の空気感も伝わるような、まんがを読んで一緒に行った気持ちになれるような絵になっていたらいいなと思います。
絵的な面だと同じく2話の「好き」と言われた奥先輩は自分でも気に入っている表情なので、奥先輩のかわいい一面としてこちらも注目していただけたらうれしいです。ストーリー的には3話の過去のシーンが気に入っているので、保科くんのせつなさが伝わるといいなと思っています。
――作品の中でとくに気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
2話ラスト、仲直りのシーンの「しあわせな考え方は悪いことじゃない」から始まる一連の奥先輩のセリフです。
シーンとしてもここはお気に入りで、ここでふたりの関係がうまく変わっていけたのでプロットを作っていた時もこれなら今後もこのキャラクターたちは大丈夫、と自分自身で思えたセリフでした。
――今後の展望や目標もお教えください。
「一作でも多く、おもしろいまんがをお届けしたい」が長い間ずっと変わらない目標です。
まんがを描くのは楽しいことばかりではないですが、「おもしろいまんが」のためなら全然平気なのが自分でも不思議です。展望…というより希望という言葉が近いのですが、自分がおもしろいと感じたセリフやシーンをひとりでも多くの読者さんと共有できたらいいなと常々思っているので、「ここが良かったよ」など共有できるご感想をいただけたらやっぱりすごくうれしいです。
「いつもありがとうございます」の気持ちでいっぱいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
ひとつ前の質問でも書きましたが、いつも読んでくださっているみなさま、ありがとうございます。また、このインタビューを機に読んでくださる方がいらっしゃるとしたら、そのみなさまにも同じく感謝の気持ちです。
最近、まんがを通して人と対話したいから自分はまんがを描いているのかな、と考えたりします。読者さんの生活の中でも、わたしのまんがを読んでなにかを感じたり人に話したくなったりしていただけたら、自分のまんがの役目的なものもなにかあるのかな、なんて思ったりして…。
とはいえもちろん、シンプルに「おもしろかった~!」と感じていただけることも、とってもうれしいです。これからもみなさんの生活の、なにかプラスになるようなまんがを描いていけたらと思いますので次のまんがでもまたお会いできたらうれしいです。この度はここまで読んでくださりありがとうございました!
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