柳楽優弥、20年前から磨き上げてきた“勘の鋭さ”で信頼の俳優に 狂気をはらんだ怪演「ガンニバル」続編もスタンバイ

2024/11/22 08:10 配信

ドラマ コラム

柳楽優弥※ザテレビジョン撮影

好青年から狂人、芸人まで完璧になりきる


ファンからは、柳楽の笑った顔が「ポケットモンスターの『エネコ』に似ててかわいい」という声も。確かに、大きな瞳が一本線のようになりキュッと吊り上がって愛らしい。柳楽の顔というのは、作品によってまるで異なる印象を残す。

放送中の「ライオンの隠れ家」では、市役所勤務の平凡で真面目な優しい青年・小森洸人を演じている。洸人が自閉スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰)と暮らし、突然現れた「ライオン」と名乗る謎の男の子(佐藤大空)との出会いをきっかけに“ある事件”に巻き込まれていくヒューマンサスペンス。柳楽、坂東、佐藤の3人の繊細で温かい演技の高評価に加え、回を追うごとに明らかになる謎が多くストーリーも人気の作品である。11月15日放送の第6話までに、ライオンは洸人の異母姉・愛生(尾野真千子)の息子で、愛生の夫・祥吾(向井理)からの日常的な暴力から逃れて新しい人生をやり直すため逃げてきたと判明した。洸人が「ライオンのために何ができるか」と、真剣に悩みながら守っていく姿が胸を打つ。

この洸人役や、連続テレビ小説「まれ」(2015年、NHK総合ほか)の池畑大輔役、高橋一生と共演する「リクルートエージェント」のCMで見せるサラリーマン役もそうだが、誠実で温かい普通の青年役で魅了する柳楽。一方で、「ゆとりですがなにか」(2016年、日本テレビ系)で“おっぱい”を連呼する風俗店の呼び込み・道上まりぶ役や、映画「ディストラクション・ベイビーズ」(2016年)で誰彼構わず人を殴りまくる泰良役など、狂気的で他人を寄せ付けないオーラをまとうイカれた人間も完璧に演じ上げる。

「浅草キッド」での“ビートたけし役”も話題に


ビートたけしと芸人の師匠・深見千三郎との関係を描いたNetflix映画「浅草キッド」(2021年)では、柳楽がタケシを、大泉洋が深見を演じた。モノマネではないながらも、タップダンスをひたすら練習し、最先端の漫才を繰り出す柳楽の佇まいはスター前夜のビートたけしそのもの。浅草の町から生まれた芸人・タケシが見たその昭和の時代が在り在りと描かれて見事であり、ここでも演じる“勘の鋭さ”が感じられた。

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