声優、として活動する前島亜美が、11月20日(水)に1stアルバム「Determination」でアーティストデビューを果たす。作詞曲2曲を含めた全10曲を収録したフルアルバムで、楽曲制作にはElements Gardenの藤永龍太郎、前山田健一(ヒャダイン)、藤林聖子ら錚々たる音楽家が参加。王道ソングからライブを狙ったキラーチューン、はたまた衝撃の問題作まで揃った十種十色の楽曲となっている。曲に込めた意味や思いを、前島自身に全曲解説してもらった。(前後編/後編)
――リード曲の「Determination」は壮大でもあり、意外にキャッチーでもありという、絶妙なバランス感を持った曲ですね。
「Determination」はElements Gardenの藤永龍太郎さんに作曲していただいた曲です。藤永さんとは声優コンテンツで長くご一緒させていただいていて、そうした近しい場所にいてくださったからこそ、前島亜美という私を汲んでくださったような曲調に仕上げていただけたと思います。
柔らかい音で始まりながら、しっかりと芯を持っていて、力強さもあって。サビになると疾走感と爽快感ときらめきを感じられるのがすごく好きです。あと、言葉数の多い歌詞ということもあって、メロ数がめちゃくちゃ多いんですよね。アウトロまでメロディーがついていて。
本来であれば歌詞はリフレインさせるやり方も取れたんですが、このメロ数の多さに感謝しながら、ひと言でも多く言葉を入れようと、リフレインを一切使わない、初作詞だからこそできる思いの乗せ方ができたかなと思います。
――確かに冒頭から最後まで、かぶりが1つもない歌詞ですね。
あと、ブレイク部分(演奏が一旦止まる空白の箇所)。「光へ踏み出して」のところですね。ここのブレイク、デモ段階では半拍短かったんですが、レコーディングで私の歌を聴いた藤永さんが「もっとエモくしよう」と提案してくださって、半拍伸ばすことにしたんです。他の箇所もメロをよりドラマチックに変えてくださったり、トラックダウンのギリギリまで検討してくれていました。藤永さんのお力添えで、私が大切にしたいドラマ性、人間性を表すとても素敵なリード曲になったと思います。
――2曲目が「初恋とKiss」。曲名からしてキャッチーなアプローチですね。
かわいくて、まっすぐなラブソングですね。この曲はスタッフさんにも人気で、聴いていただけたら、ファンの方の間でも今後一番人気に踊り出るかもしれない可能性を秘めた曲だと思っています。これはコンペでいただいた曲ですが、ディレクターさんが激推しの曲です。その勢いがものすごくて、これは何があっても絶対歌わなきゃいけないみたいな熱量でしたね(笑)。でもディレクターさんだけでなく、ボイストレーナーの先生も私の声質にぴったりだと言ってくださって、自分でも歌っていてもとても楽しかったです。
――コンペには前島さんもかなり意見を出されたんですか?
かなり積極的に意見を出させていただきました。たとえば「Azurite」はアルバムの最後に入れる曲、みんなで歌える曲がほしいとオーダーしてコンペで選んだ曲です。作家さん指名以外の曲はディレクターさんと私とで全て聴き込んで、その中から決めました。
1つのコンペに複数曲が集まるので大変な作業でしたけど、そのおかげでたくさんの素晴らしい楽曲に出会えましたし、何より今まで私はオーディションをされる側だったので、作家の皆さんがどういう思いを持って作品を提出してくださったのかが少し分かるので。そこに敬意を払うためにも、提出いただいた曲は1曲も残さず聴き込みました。
――3曲目が「SCARLET LOVE」。
「SCARLET LOVE」は私がコンペで大好きになった曲です。ちょっと大人っぽい色気のある曲調なので、普通ならデビューアルバムよりも2枚目、3枚目のアルバムに収録する方がふさわしいのかもしれないです。でも私が小出しに「この曲好きです」「この曲いいですよね」と言い続けていたらディレクターさんが根負けしたのか、入れてくれました(笑)。
私の癖として、頑張ろう、いい歌にしようと思うとどうにも肩に力が入ってしまうようで、パワーで押し切ろうとしてしまうんですよね。多分、空手をやっていたせいかもしれないです(笑)。でもこの曲に関してはいい感じに脱力できて、 Aメロ、Bメロは特に話すように歌うということができた曲。一番、素の声で歌えたなっていう、お気に入りの1曲です。
――(インタビュー前編で)自分の素の声に迷ったという話がありましたが…。
それでいうとこの曲が私の素の声に一番近いと思いますね。
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