コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ヤングエースUPで連載中の星樹スズカさんが描く『どうか君に暴かれたい』(投稿時タイトル『大正時代に堅物な絵描きの青年が女装男子を描く話』)をピックアップ。
2024年10月7日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3,300件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、星樹スズカさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
画家の男・剣山(はやま)には悩みがあった。理想の美人画を描きたいと思いながらも、鋭い目つきのせいで見つめるものを恐怖させ、いつもモデルの女性に逃げられてしまうのだ。そのため、いつまでも風景画などの小口依頼を受け続け、画家として鳴かず飛ばずの状態が続いていた。
そんな現状を悲観する中、剣山に出会いが訪れる。雨の日の夜、傘も差さずに塀の側で座り込む女性がいたのだ。家を追い出され、足を挫いてしまったという彼女。暗がりでもわかるその美しさのせいか、剣山は思わず「家に来ますか?」と声をかける。口をついて出た言葉に剣山自身驚いたが、予想外に彼女はその誘いを受け入れた。
剣山の自宅に着いたものの、女性は負った傷がひどく自力でお風呂に入ることも難しい様子。しかし、雨に濡れたままでは風邪を引いてしまうと思い、剣山は致し方なく彼女の服を脱がせたのだが…ここで衝撃の事実を目の当たりにする。女性だと思っていた“その人”は、女性の着物に身を包んだ“男性”だったのだ。
混乱する剣山だったが、一方で妖艶な魅力に惹かれ「あんな人を描けたら」という気持ちに支配され始める。そして、いつの間にかお風呂を出て剣山のアトリエに足を踏み入れていた“その人”の異常にも感じられる仕草に心を奪われ、おもむろに鉛筆を走らせていく。
「貴方を描かせてほしい」と頼む剣山に、“その人”は「剣山の家に自分を住まわせること」を条件に受け入れる。かくして、画家と美しい女装男子モデルとの歪な関係が幕を開ける――。
本作の投稿へは、「めちゃくちゃ引き込まれた」「やばい綺麗」など、作品の世界観や女装男子の作画を絶賛するコメントが寄せられた。
――『どうか君に暴かれたい』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
本作は「男の描く女には理想が詰まっている。なら、男が女を演じたら、それはどんなに美しいだろうか」というフレーズを思いついてから2023年のコミティアに同人誌として描いていたものなのですが、完成後キャラの今後をどうしても描きたくなってしまったので、連載化することにしました。
また、以前女装男子モノを連載化しようとして通らなかったことがあったので、テーマこそ違えど、できなかった女装男子連載のリベンジのような心地でもあります。
――本作を描く上で心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
剣山が英恵に惹かれてぐらついていく様を描きたいので、どのコマでも英恵を美しく描くことを意識しています。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”や引用にてコメントを寄せる読者もいました。今回の反響につきまして感想をお聞かせいただけますでしょうか。
今後の展開にも期待していただけるようエロスの部分を徐々に強くしていきたいと思っています。
――反響の中には、作画を絶賛するコメントも多数見受けられました。女装男子・英恵の作画、デザインで特にこだわったところをお教えください。
着物に袖を通しているときの英恵は仕草で女性らしさを、脱いだ際には少年だからこその線の美しさを出していきたいと思っています。
デザイン面では大正時代にウルフヘアというアンバランスな外見をしていますが、そこで英恵の作品内における異質感を表現しました。
――第1話の中で特にお気に入りのシーンやセリフを理由と一緒にお教えください。
英恵が剣山に「この花は嫌い♡」と言って唇にさっきまで掴んでいた花びらを押し付けるシーンです。
英恵のヤバそうな男の片鱗を出せたと思っています。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
現在5話目のネームをしていますが、早く皆様にお見せしたいです...!
同人誌とはまた違った展開で動いていく剣山と英恵の二人の今後を見届けてくださると幸いです。
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