本作は、2代目の北大路欣也に代わり西郷さんが“3代目明智小五郎”を演じた記念すべき第1作目。ちなみに西郷さんが明智を演じたのは2作のみであるため、本作はそのうちの貴重な1作だ。
そんな本作では、明智を取り巻く設定がガラリと変わっている。明智はかなりの豪邸に住んでおり、明智が雇う執事も登場。その他にも、明智探偵事務所で助手として働いていた文代と小林少年は登場せず、その代わりに小林文代という、2人を合わせたような名前の弁護士が登場する。小林文代は明智に仕事を斡旋しており、女性に甘い明智を諭すような話し方は、前作までの文代とよく似ている。
また本作は江戸川乱歩の小説『吸血鬼』を原作としているが、実は本シリーズで『吸血鬼』が原作となるのは第1作の「氷柱の美女」に続き2回目。「氷柱の美女」では、“未亡人をめぐって2人の男が争っているうちに1人が死亡。未亡人は顔の焼けただれた怪人に捕らえられ氷柱に閉じ込められそうになる”という物語だった。“吸血鬼”をテーマにしているため、本作は「氷柱の美女」と共通点が多いのかと思いきや、事件もストーリー展開もまったく異なる内容に仕上がっている。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)