コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「すごくリアル」と話題の人気作品「子どもが欲しいかわかりません」(KADOKAWA)をピックアップ。
作者の大町テラスさんが10月31日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて5800以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では大町テラスさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
主人公・青木カナコは、マッチングアプリで出会ったエンジニアのリョウと結婚し、平穏な夫婦生活を送っていた。しかし、30代後半に差し掛かり妊娠や出産などライフステージが次々と変わっていく友人たちの姿を目の当たりにしたカナコは戸惑ってしまう。
「私って子どもが欲しいんだっけ?」
若い頃は当然のようにいつか自分にも訪れると思っていた妊娠と出産。しかし、真剣に向き合わぬまま気付けば「高齢出産」と言われる年齢になっていた。
もし子どもを授かれたとしても、"ちゃんとした母親"になれるのか。母親になって後悔しないだろうか。そんな気持ちで子どもを持つ資格があるのか。右往左往しながらも、カナコはある決断をする…。
体の出産タイムリミットが迫る中、子供を産むべきかどうか悩む女性の姿を描いた本作。読者からは「あまりに共感しすぎて泣いてしまった」「子供と自分。悩みますよね」「こういう気持ち私もある」「一言一句刺さった」など多くのコメントが寄せられている。
――「子どもが欲しいかわかりません」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「立ち行かないわたしたち」シリーズの1作としてやってみないかと編集さんからお声がけいただいたのがきっかけです。
わたしはすでに子育て中だったので「わからない」が描けるか不安だったのですが、子どもを産む・産まないにまつわる女性の選択についてもう一度振り返って考えてみながら描いてみることにしました。
――「私すぎて驚き」「すごく分かる」など共感の声が多数寄せられていますが、本作を描くうえでこだわった点があればお教えください。
想像でキャラクターを描かないことです。自分の体験から実感をもっていることや、実際に友人とのやりとりからエピソードをつくるなど、フィクションではあるもののリアルな人物や会話になるように気をつけながら、4人の女性を描きました。
――本作の中で特にこだわったシーンや注目して欲しいポイントがあれば、理由と共にお教えください。
担当:大町さんらしい居酒屋メニューのラインナップやサウナのシーンにも注目して欲しいのですが、女性にとって抵抗のある婦人科クリニックでの診察の様子や、いざ子どもが欲しいと思った時に決意さえすれば大丈夫だと何の根拠もなく思っていた主人公が、長期化していく不妊治療の現実に直面するシーンはとても印象的です。
個人差も大きく、共有しにくい辛さがあるからこそ、大町さんが自身の経験も含めて丁寧に描いてくれています。
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