夕暮れ時ベンチに座り、愛とはなんだろう、好きなものを好きだと誰の目も気にせずに大声を出していうことができた高校時代の自分はどこに行ってしまったのだろう、と物思いにふける田中の隣にいつの間にか村井が座っている。今までの姿とは異なり、黒髪に田中から預かったベースを背中に抱えていた。
村井はベースを返しに来たのだと。そして、失恋のガチ泣きをしたのだ。田中が知っているであろう、少年の頃の面影を感じる本当の自分を曝け出した。
感動のシーンかと思いきや、「本気で好きになった人たちのことを人生の一部として忘れないであげてください」とケースから取り出したのは春夏秋冬(桐山と悠加が分解して描いた)に改造した痛ベース……。笑いを誘うとともに、村井と春夏秋冬との間に絆が生まれていることを知ることができたシーンでもある。
田中との結婚を諦め、進路のことを真剣に考えるという意志を伝えた村井を田中は抱き締めた。あの少年の名前を聞いていなかったことを後悔していたことを明かし、「お久しぶりです。村井千里くん」と涙ながらに話す田中。
と、ここで山門が登場。田中に現高校を離任すること、村井には結婚をあと5年我慢することを提案する。教師としての倫理観は置いておいて一番に生徒(村井)を応援したいと思ったと、村井ほど田中を大切にできる人は居ないと語る山門のかっこよさたるや。SNSでも「山門主任が本当に大好きになった」等の反響も見られた。
時は流れ大人になった村井は、なんと「教師」になっていた。田中が村井に教えたフランス作家モーリス・ブデルの言葉「恋というものは心から心に至る最も短い道である」の続き、「直線である」という格言を生徒に話す村井。直線とはまさに田中に対する村井そのものだ。
そして、今日が結婚記念日であると惚気る場面も。生徒から何をするのかと尋ねられると乙女ゲーム「戦国恋絵巻」と一言。奥さんも自分も「春夏秋冬」というキャラを推していると話したことで田中と結婚したことが明らかになった。
SNSでは本作について「毎話面白かった!最終回泣いちゃった」「超神回ありがとうございました」という感想が上がっている。最高の最終回と言えるのではないだろうか。
※島崎信長、天崎滉平の“崎”は、正しくは「タツサキ」。
◆文/笹本千尋
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