並外れたビジネスの才覚を持つ天性の人たらし“ハル”こと天王寺陽(CV.大塚剛央)と、パソコンオタクで人付き合いが苦手な“ガク”こと平学(CV.石毛翔弥)が、トリリオンダラー――1兆ドルを稼ぐことを目的に会社を立ち上げる起業サバイバルストーリー「トリリオンゲーム」(毎週木曜深夜1:58-2:28ほか、TBS系/Prime Video・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)。11月21日に放送された第9話「歌舞伎の花道」では、ガクが開発したAIセレクトショップ「ヨリヌキ」の売却に向けて、ハルとガクが日本一の花市場・歌舞伎町のホストクラブに入店。凜々(CV.田中有紀)を交えた3人が、抜群のチームワークで売却条件を達成するまでが描かれた。(以降、ネタバレが含まれます)
蜜園フラワーへの売却条件である月商2千万円を稼ぐため、ホストクラブに入店し、客に「ヨリヌキ」を売り込むことにするハルとガク。ハルは持ち前の話術で客の心をつかみ、瞬く間にNo.1へ上り詰める。一方、指名の取れないガクは他のホストのヘルプにつくが、客や店長との会話からヒントを得て、「ヨリヌキ」をさらにアップデートしていく。
視聴者の注目を集めたのは、ホスト業界のさまざまなルール。ボトルのラベルは客に向ける、灰皿はタバコ1本ごとに取り換える、灰皿のへこみを客に向ける…といった細やかな気配りが、ガクの接客を通じて丁寧に描写されていた。IT、アイドルオタク、花市場などさまざまな業界の裏側が垣間見られるのも本作の魅力だ。SNSにも「ホストの勉強もできるトリリオンゲーム」「いろんな業界のハウツーものとしても面白い」などのコメントが寄せられ、視聴者の関心の高さをうかがわせた。
「ヨリヌキ」のさらなる売り上げアップを目指すには、既存の花屋から「ヨリヌキ」に乗り換えさせる必要がある。そこでガクがハルの言葉をヒントに思いついたのは、写真の被写体を3D化する手法「フォトグラメトリ」の導入だった。このアイデアが功を奏し、花を立体で見られるようになったことで利用者が増えて客単価も右肩上がりに。さらにはシャンパンタワーと花を組み合わせたフラワーシャンパンタワーが大ウケし、ついに月商2千万円を達成する。
フォトグラメトリ導入のために花屋を回り、大量の写真を用意したハル。客がどうすれば喜ぶかを考え、豊富な知識と技術力を生かしてサイトの改善を重ねたガク。人力AIとして、たった1人で客をさばき続けた凜々。3人の抜群のチームワークに、SNSには「ハルが動いてガクが固める。完全なる両輪!その上に君臨する我らが凜々、盤石よなこの会社!」「ARが出来ちゃうガクと一人で会話を回せる凜々も大概なチートだよなぁと認識させられる」「各自活躍の場があるのが羨ましいほど良いチームワーク」「社員全員で掴んだ勝利に拍手」と称賛の声が続々と寄せられた。
ミッションを達成したハルとガク、凜々は、笑顔満面でハイタッチ。めでたしめでたしの場面で終わると思いきや、蜜園フラワーの重役たちが丸坊主になるという衝撃のオチが。「ヨリヌキ」を条件付きで買うという蜜園社長に苦言を呈し、ハルたちが条件をクリアできたら頭を丸めると冗談交じりに言っていた彼らだが、視聴者も律儀に実行するとは思ってもいなかったようだ。
SNSには「ちゃんと丸刈りにしてんの草」「伏線回収である」「頭丸めるって言ってたおじさん本当に頭丸めたしそれを『ツーン』って効果音と静止画で見せてくるセンスもズルい」「潔く頭を丸める有言実行おじさん、好きだよ」「オチも完璧とはまさにこの回の事を言うんじゃないだろうか」など、秀逸なオチを絶賛する声が多数到着。意外な伏兵が最後に爆笑をかっさらう形となった。
◆文=帆刈理恵(スタジオエクレア)
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)