Rain Tree、デビューへ向けて本格始動も“茨の道”「正直全くレベルが追い付いていない」<Documentary of another IDOL3.0>

2024/12/20 21:20 配信

音楽 アイドル レビュー

「Documentary of another IDOL3.0」第4回がLeminoで配信された(C)OVERSE

オーディション不合格者たちの“その後”を追った新感覚ドキュメンタリー番組「Documentary of another IDOL3.0 ~不合格者17名の再挑戦の物語~」の第4回が、11月29日にLeminoで配信された。同番組は、秋元康総合プロデュースの「IDOL3.0 PROJECT」で合格し、WHITE SCORPIONとしてデビューした11人ではなく、最終審査まで残りながらも、惜しくも合格できなかった17人の少女たちを追い掛けたもの。第4回では新たなグループ名が決まり、2025年1月のデビューも決まったものの、“セレクションシステム”を導入するという宣告に一同は衝撃を受ける。そしてデビューへ向けてのセレクションが進む中、講師から次々と酷評を受けてしまう場面が映し出された。(以下、ネタバレを含みます)

デビュー決定もメンバー同士で競い合うことに


「IDOL3.0 PROJECT」は、メタバースやNFTなどの技術を駆使して活動の場を広げるアイドル第三世代のアイドルを生み出すために秋元康が総合プロデュースを務める新アイドル創出プロジェクト。約半年にわたって第7次まで審査を行い、新ガールズグループのメンバーを決定した。

第4回では、10月8日のドキュメンタリー番組の制作発表会において、サプライズでRain Treeという正式グループ名と2025年1月にデビューすることが知らされ、涙を流して喜び合う中、シングルごとにメインメンバーを選考するセレクションシステムを採用することが明かされる。これまで一緒にデビューに向けて支え合ってきたメンバー全員でデビュー曲を歌えないこと、メンバー同士で競わなければならないことに、一同絶句してしまう。

会見後、まずはデビュー決定の喜びをかみ締める者、“一難去ってまた一難”という過酷な道のりに涙があふれてしまう者など、メンバーたちはさまざまな反応を見せる中、「話し合っていこう」「私たちの中で競い合うわけじゃない。Rain Treeを大きくしていくためだから。戦うのはもっと大きいステージだから、そのためにグループを大きくしていくために頑張ろう!」と励まし合って、気持ちを新たに団結する。

その後、メンバーたちはRain Treeとして、複雑な思いを抱えながらセレクションに挑んでいく。セレクションは「ボーカル」「ダンス」「自己表現」の3つのカテゴリーで審査。「ボーカル」審査はリズム、音程、声量、滑舌などの歌唱技術とその伸び代を総合的に審査し、「ダンス」審査はリズム、正確さ、体の使い方、魅せ方などのダンス技術とその伸び代を総合的に審査。そして「自己表現」審査では、SNSを含めた数字による成長度や自己PRに対するファンからの投票、デビューするタレントとしてふさわしいかの運営評価を総合的に審査する。この3つの総合得点が高い者が選抜メンバーに選ばれるのだ。

10月18日、セレクションに向けたボーカルレッスンに臨むメンバーたちは、講師から「今のままデビューするってなると、正直全くレベルが追い付いていない。セレクション期間はすっごく苦しかったりすると思うし、多分きついと思うけど、私たちもみんなに期待しているし、みんなならできると思っているので頑張ってください」「文化祭みたいな感じになっちゃうよ。これでは見せられないと思う。グループというよりも個々がもっと頑張らないと」などと厳しい激励を受ける。

また、10月20日のダンスレッスンでも「動けている子も動けていない子も含めて、一番は体が全然使えていないというのが印象的。2Dの画面でしかダンスをしっかりやってないっていう感じのダンスの仕方。覚え方も含めて」と講師から酷評を受ける。レッスンを終え、吉川海未(旧:カワチャン)は「みんな結構付いていけていて、私は置いてけぼりになってるなって…。『みんなで頑張ろう』って言いつつも、やっぱりどこかでメンバーと比べる部分が出ちゃうから、精神部分でも結構ドッと来ます」と漏らし、黒澤禾恋(旧:ミラン)は「応援してくれている人もいっぱいいるから、その期待に応えなきゃなって思うんですけど、それが逆にプレッシャーというか自分を追い詰めてしまっている」と目を伏せる。

「Documentary of another IDOL3.0」第4回より(C)OVERSE

セレクション最終審査を前に活動休止する者も


そんな中、10月25日のボーカルレッスン後、メンバーたちは体調不良で欠席していた黒澤の活動休止を知らされる。黒澤の気持ちに寄り添い、彼女の苦しさに気付いてあげられなかったことを悔やむ一同は、黒澤がいつでも戻ってこられるように寄せ書きを書き始める。

その後、11月2日のボーカルレッスンの中間発表、11月3日のダンスレッスンの中間発表でも、講師から厳しい言葉を受け、うまくできない自分に腹が立ち、悔し涙を流すメンバーたち。少ないまでも1年間積み上げてきた自信は瓦解し、いつしか不安とプレッシャーに押しつぶされるように。そして、ついに最終審査の日を迎える――。

ファンや世間が見るアイドルの姿はとびきりの笑顔と元気なパフォーマンスで見る者を幸せにするキラキラと輝いている姿だが、それは多くのスタッフが支え、メンバーが努力を積み上げて作り上げた完成品だ。もちろんそんなことは百も承知だろうが、それがどれくらいの強い思いと、どれほどの汗と涙と、どれだけの熱意と努力で作り上げられたものなのかは知る由もない。だが、今作では少女たちがどのような壁にぶち当たり、彼女たちを信じるスタッフたちからどう叱咤激励され、どのように乗り越えたのかというところまで描かれている。

少女たちの“少女とは思えない”プロになるために頑張る姿を通して、「アイドルになる」という茨の道の険しさを知ると、よりアイドルへのリスペクトが強まるだろう。

「Documentary of another IDOL3.0 ~不合格者17名の再挑戦の物語~」の第5回は、12月20日(金)にLeminoで配信予定。

◆文=原田健

「Documentary of another IDOL3.0」第4回より(C)OVERSE

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