一方、良牙はまだ懲りておらず、乱馬にまた勝負を仕掛けるために寝所に忍び込む。しかし、大きい声を出したせいで玄馬(CV:チョー)を起こしてしまい、乱馬とともに雨空の下に放り出されてしまった。そこで、雨に濡れて女の姿になったらんま(CV:林原めぐみ)に良牙は「俺は決闘をすっぽかした貴様を追って中国に渡ったのだ!」と告げる。らんまが見ると、雨に濡れないように傘をさしている良牙。実は彼もまた中国の呪泉郷で、泉に落ちて水に濡れると変身する体質になってしまっていたのだ。
その落ちた泉というのが、1200年前に黒い子ブタがおぼれたとされる黒豚溺泉。その時は気づかなかったが、女らんまに突進されて泉に落ちて黒い子ブタになった良牙はおぼれていたところをパンダ姿の玄馬に拾われ、あわや呪泉郷ガイド(CV:山寺宏一/二役)に調理される寸前だった。お湯を沸かした鍋に放り込まれたため、人間に戻って難を逃れたが、中国に渡って地獄を見た良牙は「すべては乱馬が決闘をすっぽかしたせい」と復讐を決意したのである。
そして、しつこく天道家まで乱馬を追いかけてきたが、雨に濡れて黒い子ブタの姿になってしまった良牙。偶然にも子ブタを見つけたあかねは、その正体がまさか良牙とは思わずに可愛がる。コブに薬を塗ってやり、女らんまに追いかけられているところを助けてあげたあかねは「いい子だから、もう泣かないで」とまさかのキス。何も知らずにファーストキスを済ませてしまったあかねはちょっぴりかわいそうだが、その腕にスッポリと収まった子ブタの良牙はあまりに愛らしい。
ちなみに「ぷぎゅ」「ぷひっ」という母性本能をくすぐる鳴き声も、良牙役の山寺宏一がそのまま担当している。そのため、呪泉郷ガイド、良牙、子ブタが全員登場した回想シーンではほぼ同時に3役を演じることに。そんな山寺の巧みな演じ分けに、「山寺宏一劇場スゴイ」「プロだな」「山寺宏一がひとりで喋ってる…」と視聴者は驚愕の様子だった。
※日高のり子の高は、正しくは「はしごだか」
■文/苫とり子
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