コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、藤本セツナさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「堕天使そぷらのちゃんの復讐」だ。11月28日時点で8000以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者の藤本セツナさんに制作の背景を伺った。
主人公のみれいは小学6年生の時に親友のそぷらのちゃんから「好き」だと告白されたが、
「私たち女の子どうしなんだよ。そぷらのちゃんおかしいよ」と心無い言葉で傷つけてしまった。
その後、そぷらのちゃんは転校してしまい、二度と彼女には会えないと思っていた。
時は経ち、高校生になったみれい。そんなみれいの高校に、なんとそぷらのちゃんが転校してきた。
そぷらのちゃんは、雑誌やSNSを中心に活躍するモデルになっており、世間からは“天使のそぷらの”と呼ばれるほどの人気者に。
しかし、学業に専念するためモデルの活動休止を発表。みれいが通う高校に転校してきたのだ。
勇気を振り絞って「久しぶり」と声をかけるみれいだが、前のようには会話ができない。
みれいは体育の時間、バスケのシュートを決めたらそぷらのちゃんに話しかけると決めた。
気になる2人の関係性の行方は…!?
実際に漫画を読んだ人達からは「とても…良いです」「続きがとっても気になる素敵な漫画」「拗らせて罪悪感抱いているの可愛い」「これからどうなっちゃうの!?」と、いった声があがっている。
今回は、作者・藤本セツナさんに『堕天使そぷらのちゃんの復讐』の制作について話を伺った。
――「昔振った女の子がモデルになって帰ってきた話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
今作は11月17日に行われたコミティア150に向けてのサンプルなので、本当は「堕天使そぷらのちゃんの復讐」というタイトルの物語です。
Xにあげた内容では詳しくは描かれませんでしたが、後半ヒロインのそぷらのちゃん、暴走します。
だから正確には「昔振った女の子がモデルになって復讐しに来た話」なんです。
昔異性に振られたことをきっかけに可愛くorカッコよくなって見返してやる、といったシチュってよくあると思っているのですが、今作は女の子同士という大きな壁を作っています。
可愛くなっただけでは振り向いてもらえないと承知の上なら、女の子はどんな策略で挑むのか。といった百合の話を自分で見たいと思ったのがきっかけです。
ここにモデルという要素を入れて、立場を利用したそぷらのちゃんの策略だったり、振った子(主人公みれい)の罪悪感に漬け込んだ攻め要素を沢山描きたいと思ったのが今作を作った理由です。
――この作品をを描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
小学校時代と現在(高校生)との2人の変化は見てほしいポイントですね!
冒頭の幼少期のそぷらのちゃんと、次ページの転校してきたそぷらのちゃんとのギャップは勿論気合を入れて描いた部分ではあります。
しかし個人的に着目して欲しいなと思ったのは2人の性格の変化です。
幼少期の回想のシーンではみれいちゃん、陰口を言うクラスメイトに物申せるほど強気な女の子です。
一方のそぷらのちゃんは、将来モデルになって人前に出る子とは思えないほど内気な女の子です。
しかし、そぷらのちゃんの告白をきっかけに2人の性格は反対になっていきます。
大事な親友を失ったショックからみれいは人を傷つけることが怖くなり、人と無難なコミュニケーションしか取れなくなります。
逆に帰ってきたそぷらのちゃんは復讐を企むほど攻撃的(?)な性格になっています。
ぜひ今後の物語でもこの変化を頭に入れながら見ていただきたいです。
――今作の中で特にお気に入りのシーンやセリフなどありましたらお教えください。
Xに投稿した内容の中ではバスケの授業でみれいがシュートをするシーンですね。
そぷらのちゃんと逃げずに向き合いたいと思ったまでは良いのですが、実際に行動するかはシュートが入るかどうかに委ねます。
みれいにとってそぷらのちゃんの存在は、それくらいしないと向き合うのが怖いと思うくらいに、気まずさを感じてるのが分かるという、後ろ向きなみれいが個人的に可愛いと思えるシーンです。
好きなセリフは今回お送りした未公開部分の「モデルになったの、みれいちゃんの為だもん」というところですね。
そぷらのちゃんにとってモデルになってのし上がるとか、人気になるというのは二の次で、ただみれいちゃんに可愛いと思ってもらいたいというのが一番の理由だったりします。
そぷらのちゃんの普通じゃない、みれいに対する愛が感じられるセリフだと個人的には思っています。
――普段作品を描く際にストーリー設定やキャラクター設定は、どのような所から着想を得ることが多いでしょうか?
あまり最初からストーリーやキャラ設定を考えることは少なく、世界観や雰囲気から作ることが多いです。
今作は病みカワな雰囲気の作品を作りたかったので、まずはそういった傾向の音楽を聴いて頭の中で構想を練ります。(jpop、BGM等ジャンル問わず)
音楽を聴いてると(今のメロディで女の子が恐怖に立ち向かっていくシーンが浮かんだ!)みたいな感じで、頭の中でアニメのようなカットが浮かんできます。
そういったことを繰り返してパズルのピースみたいに組み合わせてストーリーを作ることが多いですね。
キャラ設定に関しても浮かんだシーンの中で女の子が取る行動から、この子はどんな子なんだろうと性格等を予想して作っていきます。
――藤本セツナさんの今後の展望や目標をお教えください。
私の夢は自分の作品の二次創作をしてもらうことです。コミックマーケットのようなイベントに行って自分の作品が置いてあるジャンルのスペースに行って、こっそり同人誌を買って読むのを楽しみにしてたりします。
その為に漫画の連載だったり、アニメ化だったりは必然の目標ですね。
――最後に作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
Xで公開した部分は本当に序章に過ぎません。これからそぷらのちゃんがどんな作戦を見せるのか。それに対しみれいはどう対抗していくのか。ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。
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