――他の登場人物との関係性でいうと、同じシーンが多いのは金子ノブアキさん演じる修ですよね。
はい。修とのシーンが多かったですね。金子さんと「修ってどういう気持ちでこのセリフを言ってるんだろうね?」って話を結構してました。修とのシーンは全部挑戦でした。初の“ラブシーン”だったので(笑)。
――まりもの恋愛観は、森さんから見て理解できたり、共感できたりするんですか?
あぁ、分かりますね。“不倫”が分かるというんじゃなくて(笑)、最初は“修を弄んでやろう”っていうくらいの気持ちだったと思うんです。それで、“私は恋愛ごっこに付き合ってあげてるだけ。決して本気にはならない”みたいな。そう思ってるんですけど、実際は修に冷たくされたり、放って置かれたような感じになった時に本気になってしまって、自分の気持ちに気づいてしまうのは“分かるなぁ”って。
本気になっちゃいけないって思えば思うほど本気になっちゃう。“そういうの、あったなぁ”って思い出しましたね(笑)。自分を守りたいから、傷つきたくないから予防線を張ってるんです。私も同じで、傷つきたくないタイプなので、まりもと同じです。
――森さん自身の恋愛観、理想の恋愛は?
傷つきたくないんですよね(笑)。修みたいな、いわゆる沼男的なタイプは魅力的だなと思うんですけど、私は踏み込む前に退却するタイプです(笑)。沼にハマってしまうのが見えてるから。
だから理想という意味では、“私のことを絶対に好き”っていう人に行くタイプです。恋愛は安定させて、仕事で難しいことに立ち向かいたいんです!
――感情の起伏もある役ですが、演じる時に気をつけていたこと、こだわったことは?
役づくり自体は、あまり作り込まなくてもよかったんです。年齢も近かったですし、共通点もいくつかあったので、自然体で感情を作っていきました。
修ってムカつくところがあるので、「修、なんなん?」って本気でムカついてました(笑)。
――共通点ということで言えば、まりもは働いていた会社を辞めて、違う人生を進んだりしますが、森さんも会社を辞めて、今の活動をされていますよね。ご自身の中での変化はどう感じてますか?
1年半とちょっと経ちましたけど、こんなにいろんなお仕事をさせてもらえるとは思ってなかったです。ドラマをやりたいというのはずっと言っていたので、それも実現できたので今はいただいた役にフルスロットルって感じです。
もちろん大変な部分もあるんですけど、それよりも“楽しい”という気持ちが大きくて、大変だというのは感じてないですね。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
ラブシーンは初めてなので、そこはかなりキレイに監督に撮っていただいたこともあり、注目していただきたいです。映像とかアングルとか、いろいろこだわって撮ったので。あとは、まりもの感情の移り変わりを頑張って表現したので、感情移入して見てください。
裕福な家庭の娘として生まれ、装幀家として活躍する結城愛里紗(倉科カナ)。愛里紗の夫で会社役員の結城修(金子ノブアキ)。愛里紗の友人でフリーライターの中条彩江子(さとうほなみ)。カメラマンの世良晴人(佐藤寛太)。愛里紗の夫・修と愛人関係にある玉木まりも(森香澄)。ピアニストの佐藤玲門(寺西拓人)と、その恋人でピアノバーの経営者兼バーテンダー・水無月流奈(真飛聖)。次第に各々が抱える事情が明らかになり絡み合って、意外な繋がりを見せていく大人たちの“情事と事情”を描いた物語。
「情事と事情」(全8話※1~2話は無料配信)はLeminoにて12月5日より毎週木曜独占配信。
◆取材・文=田中隆信
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