――倉科さんが演じる主人公の愛里紗とは学生時代からの友人という関係性です。
はい。学生時代からの関係で、セリフで「あんまりベッタリじゃないけど」って言ってるんですけど、まさにそういう関係性で、親友というのではなく、付かず離れずという距離感を保っている感じです。演じている時に「なんで仲良いんだろうな?」って思ったりしました。
彩江子的には愛里紗のことを普通に好きで、腹の中で何を思っているのかも全然知らないし、何かあったら話を聞いてくれる人という感覚なんだと思います。疑うことを知らないバカ真面目な子ですから(笑)。
――倉科カナさんと共演してみた印象は?
中身も含めてすごくかわいい人だなって。愛らしいというか。愛里紗は不思議な空気感を持っている人なので、お芝居をしてたら不思議な人になるんですけど、芝居を離れるとお花畑のような人で癒されます。すごく明るくて、よく笑うし、一緒にいるとホッとします。演じている時とのギャップがあって、そこも面白いなって思いました。
――撮影の中で大変だったことは?
バスケ!バスケットボールのシーンですね。私、本当に球技が得意じゃないんです。中学から吹奏楽部でずっと文系だったんで。
なので、バスケのシーンがあるって聞いて、めっちゃ練習して上手くなりました(笑)。すごくいいシーンが撮れました。
――いろんな形の“恋愛”が出てきますが、さとうさん自身の恋愛観、理想の恋愛というのはどういう感じですか。
絶対にリスペクトし合っていたいなと思います。そのために自分も頑張れると思うので、そういうマインドの関係性でいれたらいいかな。相手にも自分にも自覚があれば、そういう関係性になれるんじゃないかなとは思います。
――最後に、本作をどういうふうに見て楽しんでもらいたいですか?
割とタイトルが穏やかじゃないんですけど、蓋を開けてみたら、タイトルに引っ張られない面白さがあると思いました。
私は自分の撮影シーンしか分からないんですけど、それは完全に(監督の)“井樫彩”節が効いてるなっていう撮り方をしていて、だからこそその上で踊ってる人たちがいい味を出せてるんだと思うんです。中身にすごく奇妙な面白さがある作品だと思っています。ぜひ楽しんで見てください。
裕福な家庭の娘として生まれ、装幀家として活躍する結城愛里紗(倉科カナ)。愛里紗の夫で会社役員の結城修(金子ノブアキ)。愛里紗の友人でフリーライターの中条彩江子(さとうほなみ)。カメラマンの世良晴人(佐藤寛太)。愛里紗の夫・修と愛人関係にある玉木まりも(森香澄)。ピアニストの佐藤玲門(寺西拓人)と、その恋人でピアノバーの経営者兼バーテンダー・水無月流奈(真飛聖)。次第に各々が抱える事情が明らかになり絡み合って、意外な繋がりを見せていく大人たちの“情事と事情”を描いた物語。
「情事と事情」(全8話※1~2話は無料配信)はLeminoにて12月5日より毎週木曜独占配信。
◆取材・文=田中隆信
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