続く第10話は「檻に閉じ込められた親子~ソウルケイジ」。姫川は、血塗れの左手首の持ち主と考えられる高岡の幼馴染に高岡の写真を見てもらい、写真の人物が高岡でないことを確認する。木下興業の建設現場での転落事故死…借金で首の回らなくなった人間を木下興業の建設作業員として現場に送り込み事故死させ、その保険金で借金を清算させるという闇社会の手口が見えてくる。捜査会議で姫川は、持ち前の勘と仲間が足で稼いできた情報を組み合わせて持論を展開するが、確実さに欠けることを指摘されて苦悩していた。
左手首の持ち主が判明しないまま、次々と関係者の過去や闇の深さが描かれていく。連続ドラマのクライマックスで3話分かけて描くだけある難解なミステリーだ。今回の事件とは別に「ストロベリーナイト」では、姫川が自分の過去のトラウマとそれに伴う母親との確執も縦軸で描かれており、捜査から離れたときの姫川は非常にもろい。姫川班を仕切る強い女性上司というキャラクターとは真逆だ。菊田(西島秀俊)は、姫川へ密かに思いを寄せ、彼女の弱い部分も見逃さない優しさがあり、その静かなラブ要素も人気の作品である。第9話で、姫川の母が心筋梗塞で入院してしまい、姫川は複雑な心境に追い込まれて涙目に。菊田は姫川をそっと待ち「おかえりなさい」と抱きしめて2人は初めて互いの存在の心強さを認識するのだった。次回はいよいよ最終話。事件の解決も恋の行方も気になってしまう。
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