ソンジュンにとって重要な存在になる2人が、陪審員として事件にかかわることになったウンギ、そしてソンジュンの兄で判事のソンフンだ。
ウンギ役のチョン・ウンジは社会現象級の人気を誇ったドラマ「応答せよ1997」(2012年)で主人公を演じ、ドラマデビュー。確かな演技力は早くから注目を集め、歌唱力を活かしてミュージカルでも活躍してきた。最近は「酒飲みな都会の女たち」(2021年)でリアルなアラサー女子の悲哀をコメディ色たっぷりに演じたのも記憶に新しい。本作では、頭に血が上りやすいソンジュンを軽くいなしながらもサポートするキャラクターで抜群のケミを見せている。
ソンジュンの兄・ソンフンを演じるハ・ソクジンは、2005年にドラマデビュー。「サメ ~愛の黙示録~」(2013年)でソン・イェジンの夫役、主演ドラマ「伝説の魔女~愛を届けるベーカリー」(2014年)では優しいベーカリーシェフを演じ、一躍スターに。「愛の不時着」(2019-2020年)では主人公ジョンヒョクの心優しい兄を演じ注目された。今作で演じるのは、完璧主義で優秀な兄。落ちこぼれぎみの人生を歩いてきた弟を持て余しながらも気にかける実兄…と思いきや、ストーリーが進む中で、予想もしなかった別の顔を見せることになる。
制作したのは、「愛の不時着」や「還魂」(2022年)など大ヒット作を量産するスタジオドラゴン。没入感あるスピーディなストーリー展開の中に、目をそむけたくなるほどのスリラー演出と、20年の月日をまたいで描く「ブラインド=自分自身が意図しないところで、自分も誰かにとっての加害者になってはいないか」という強烈なメッセージ性を織り込んだ質の高いエンターテインメント作品に仕上がっている。テギョンをはじめキャスト陣の熱演と俳優同士のケミ、作品に散りばめられた謎で一気見必至のサスペンスだ。
◆文=酒寄美智子
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