コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は11月15日に『インク色の欲を吐く』(KADOKAWA)を発売したばかりの梅ノ木びのさんが手掛けた作品『人魚の足とひきかえに』をピックアップ。
2024年11月21日に作者が『人魚とあっという間の失恋をする』と題してX(旧Twitter)に投稿したところ、1.3万件の「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、梅ノ木びのさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
女にモテたことのない男は、ある雨の日道端で人魚に声をかけられる。「私を連れてって」人魚に請われるまま、家に連れて帰る男…。そして人魚は魅惑的な笑みを浮かべて「私と恋してみない?」と男を誘うのだった。
人魚は人間に愛されると足を手に入れられる。海の世界に飽きた人魚は恋をして足を手に入れ、男は人魚との恋に夢中になる…。そして人魚への執着が強くなった先に待っていたものとは…。
恋の先に待つ驚愕の結末に読者から「どっちも狂ってる」など多くの反響が寄せられている。
――『人魚とあっという間の失恋をする』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
美少女が不気味な姿に豹変するホラーを描きたいなと思ったのがきっかけです。元々ホラー好きなのと、絶対に負けないし改心しない美しい悪役キャラクターに惹かれていたのでいい機会だと思ってやってみました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
とにかく人魚の女の子が可愛いと思って貰えるように表情を丁寧に描くようにしました。読んでる方も「思わず好きになっちゃうな」と思えるコマがあったら嬉しいです。
同時にこの話のテーマが「あっという間に豹変する恋心」だったので、可愛い人魚もそれに恋するモテない男もみるみるうちに気持ち悪く様変わりしていく様子が見所になっていればと思います。
――作品の中でとくに気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
2ページ目で「人間と恋をするためよ」と話す人魚の笑顔が気に入ってます。この子はこうやって誰にでも邪気のない笑顔で近付くんだろうなと思ったので、初めて人魚の顔が映るシーンで印象的になるようにしました。
あとは恋のおまじないが解ける様子を肉体が溶けると掛けて、グロテスクな肉体を描くのは楽しかったですね。
――今後の展望・目標をお教えください。
私はドキドキしながら見続けてしまう怖い作品が好きなんですが、ホラー作品にあるような不幸な情景って恐ろしい!嫌だ!と不快になりながらも目を離せない美しさを見出してしまうんですよね。この対比する感情はフィクションだからこそ与えられる感動だと思っています。
自分の描く作品でも、読んでいるうちにゾッとするけど忘れられなくてまた手に取ってしまう…そんな気持ちにさせる物語作りが出来たらなと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
もし趣味が合いましたら次回作も読んで貰えたら嬉しいです。
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