約12年に渡って放送されたドラマ「ドクターX」が、12月6日(金)に公開される映画「劇場版ドクターX」を持って集大成を迎える。今回は、同作で“失敗しない外科医”大門未知子を演じてきた米倉涼子に、その思いをインタビュー。天才的な腕を持ちながらも組織に属さず、フリーランスとして病院を渡り歩くクールな女性・大門を米倉はどう投影し続けてきたのか。本作への思いを語ってもらった。
――今回の映画化において、ブレさせたくないと感じた部分について教えてください。
難しい質問ですね。でも、やっぱり「ドクターX」って“一匹狼”のようであって、一匹狼ではないところにあると思うのです。だって、私1人じゃ1匹になれないじゃない? みんながいてくれてこそかなと。
特に今回は、(神原)晶さんの存在が大きかったです。「未知子を大切に思うなら」って、とある提案をしてくれて。それを聞いて、みんなで大切に作らないといけないと思いました。参加している人たちの全員が、本当に大スターたちばっかりで、みんなが押し上げてくれたと、完成した今、しみじみと思います。
――集大成ということに対しては、どんな気持ちでしたか?
考えてみれば、12年も続けてきて、みんな歳をとっているからね。素足でミニスカートって恥ずかしいんですよ?(笑)。 でも、そうは言っても、大門未知子って、みんなにとってカッコいい存在だから、カッコいい存在であり続けたいと思うのです。なので、ここまで続けてきました。
ただ、毎回「これが最後かもしれない」と覚悟はしていました。ドラマの撮影のときから。だから宇宙にも飛んでいるし、アンドロイドにもなっているし、何度かもう帰ってこられないようにしているんですけど、たくさんの方に見ていただけて、期待をいただけたので、ここまで続けてこられたと思います。
――視聴者としても寂しい気持ちがあると思います。
実は最近、第1シリーズから見返しているんです。私、リアルタイムでみると、自分がいないシーンにすごく集中しちゃって、自分がうんぬんとか、あまり思えないタイプなんです。どうしても自分のパートは、客観的な反省しか出てこなくなってしまって…。
ただ、もう12年も前の作品を改めて見ると「これおもしろくない?」「ゲストもすごくない?」って思いながら見ることができて、今心からこの作品を楽しめています。さすがに10年ぐらい前になると自分のことも少し許せるというか。「ナイスアプローチ…!」って思えるようになっていますからね。なので、ぜひ視聴者の方にも少しずつ見返していただけたらと思います。
――今見返して見て、変わったなと思う部分はありますか?
まだ全部は見終わってないので、なんとも言えませんが、第1シリーズの大門未知子を見てみると、まだ、かわいげがあったなと感じます。発声の仕方とか、「私、失敗しないので。」とか、「いたしません」と言うのも含めて。12年間で積み上げて生意気さが増したなって思いました。
――映画には新しい仲間も登場していますね。
今回は新しく大ちゃん(西畑大吾)が入ってきてくれましたし。彼はすごくドキッとするような、未知子もひるみそうな魅力があるキャラクターだと思います。それがすごく刺激になりました。
――12年間の中で、新しいキャストの方が入ってくることは多々ありました。すでに出来上がっているチーム「ドクターX」の輪の中に入れるために、どんな工夫をされているなどありますでしょうか?
特にないのですが、本当にみんながオープンだからなのだと思います。たぶん、新しく入ってこられる方が、どんなに経験を積まれた方でも、最初は緊張されるみたいなんです。
でも、私たち、けっこう団らんすることが多くて、そこには空席を作るようにしています。みなさんどう思っていたかはわからないですが、いわゆるウェルカムだったので、そう感じてくれていたらうれしいなと思います。
――米倉さん自身は、大スターのみなさんがたくさんいらっしゃる中で、どういうポジションだと分析されていますか?
私はお散歩されているような感じです。お散歩するんじゃなくて、私がお散歩されているって感じ(笑)。先に歩いていっているけど、なんだかんだでリードにつながれているんだと思います。それくらい支えてもらっていますね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)