2024/12/04 17:00 配信
物語の舞台となっている美大のシーンでは、登場人物の心に流れているものが、その人の生きた証として命が宿っていく素晴らしさを肌で感じました。光莉という人物に出逢い、見つめているなかで、自分だけの心で進んでいくのではなく、その瞬間に落ちている声を大事に信じてみようと思えました。信頼できる人たちとのコミュニケーションの積み重ねで、光莉の持っているムードを創りあげるという体験は、とても幸せな時間だったなと感じています。
長壁颯という、恥ずかしいほど不器用でまっすぐな男を演じました。中川龍太郎監督をはじめ、スタッフ、共演者のみなさんとたくさんディスカッションして、助けてもらいながら、その時間を生きることができました。大切な時間でした。不器用でもどかしい、でも人間らしい美しさを持った魅力的な登場人物たちを、ぜひ感じでいただきたいです。
できあがった作品を見て、ひとりひとりのキャラクターの心の動きを感じた時、やはり中川監督はすごいと思うばかりでした。人としての永遠の切なさ、愛おしさを表されていて、原作への尊敬と今を生きる私たちへのエールをもらいました。撮影時は咲と彼女を取り巻くことが、まるで本当の経験に感じられる程で、とても楽しかったことを思い出します。登場する全員が魅力的で、そんな作品に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
朝倉あきさんと共演するのは5年ぶり。あきさんの声を聞いた瞬間、時が巻き戻ったような不思議な感覚に襲われました。こうしてまた、あきさんとじっくり向きあう役を与えてくれた中川監督に感謝しています。中川さんのもとに集まったやさしいチームのおだやかな温度が画面にのっていました。たくさんの方に楽しんでもらえますように。
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