ライブ中に突然のキス…初恋を引きずるピュアなアイドルと、強引で俺様なリーダーとのBL漫画に「萌える…!」の声【作者インタビュー】

2024/12/20 09:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

『捕食対象ひなどりくん』が話題(C)みよしあやと/ブライト出版

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ウェブBLマガジン「Tulle(チュール)」にて連載された、みよしあやとさんが描く『捕食対象ひなどりくん』をピックアップ。

みよしあやとさんが2024年10月24日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.3万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、みよしあやとさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

初恋の相手が忘れらないワイルド系アイドル

『捕食対象ひなどりくん』(3/38)(C)みよしあやと/ブライト出版

ワイルド系ダンス&ボーカルグループ「リダストレボ」の陽太(ひなた)は、幼いころステージで一緒に歌っていた、王子様系アイドルの白馬(はくば)に想いを寄せていた。

19歳になった陽太は、ある時白馬のいるアイドルグループとバトルライブとして同じステージに立つことに。ステージ上で歌う白馬を見て思わず顔がふにゃっとしてしまう様子や、ライブ後久しぶりに会話をする二人を見ていた陽太と同じグループのリーダー・鷹臣(たかおみ)は、陽太の白馬への恋心を見抜いてしまう。

バトルライブ最終日、一度は降りた舞台に再び戻ってきた自分を鼓舞し「かわいくなりたかったひなじゃない」と、必死で男らしく、かっこよく演じる陽太。陽太の切ない気持ちを察した鷹臣は、ステージ上で突然陽太にキスをする。「“キレてる”ほうがマシだろ」という鷹臣に、気合を入れなおしパフォーマンスし続けたのだった。

ライブ終了後、鷹臣にキスについて問いただす陽太。ファンサの一環だという鷹臣に戸惑う陽太は、強引に鷹臣の車に乗せられ家まで送ってもらうことに…。

作品を読んだ読者からは、「きゅんきゅんしました」「身長差に激萌え‼」など、反響の声が多く寄せられている。

作者・みよしあやとさん「受けの方が背が高いカプが描きたい!」

『捕食対象ひなどりくん』(26/38)(C)みよしあやと/ブライト出版


――『捕食対象ひなどりくん』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。

とにかく受けの方が背が高いカプが描きたい!が1番で、そこがスタート地点でした。

担当さんに「次はどんなのが描きたいですか?」と問われ、そう答えたところまでは記憶にあります。

そこから担当さんと色々話をして詰めていったと思うんですが、無印の連載がスタートしたのが2019年で、Wアンコールまでの間に気づけば5年も経っていて、ゆえに正直それ以外の記憶が曖昧で…笑

こういうギャップが見たい!というような担当さんからの要望と、華やかな世界観にしたいという流れでアイドルが出てきたのかもしれません。

音楽は好きでしたがバンド系ばかりだったので当時はアイドルに全然詳しくなくて、今思うとよくやろうと思ったなと…!

アンコールの刊行後、参考になるかもと見始めたアイドルに無事ハマり、今は立派なアイドルオタクになりました。

この作品がなければそういう出会いもなかったろうなと思うので、他の事も含め私にとって色々と感慨深い作品です。

受けの方が背が高いカプが描きたい!については逆身長差萌えも勿論あるんですが、正確には“かわいいままでいたかったのに大きくなりすぎてかわいいからほど遠くなり、それがコンプレックスになっている受け”が好きで、さらにそんな受けより身長こそ低いもののがっしりしていて包容力があり、受けのコンプレックスをはねのけてくれる強さのある攻めの組み合わせが好き、だったんだな~と後々気づきました。

無印~Wアンコールまでの期間で、自分の中でBLへの自我が目覚めたというか確立された感あるのでボヤボヤしていた所が段々ハッキリしてきたというか、そういう過程も上記の感慨深さに繋がってます。

――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

アイドルものなのでステージ構成だったり衣装だったり、ライブの会場だったり事務所の規模だったり…笑

実際作中に出てこなかった部分も含め、細かい部分も色々決めておく事は気を付けていました。

最初のうちはとくに自分がアイドルに詳しくない事もあり、無知で描いた描写がノイズになってはいけない…!と思って。

衣装はもともと考えるのが好きだったので毎回楽しかったです。

グループのイメージがあるので雰囲気は統一しつつ、キャラにあったデザイン展開をするように考えていました。

あとは主軸であるひなの成長も描きたい部分だったのでアンコール以降はそこも大事にしていました。

無印では尺の問題でそこに描写をさけずだったのですが、アンコール、Wアンコールと続く中でひよこが殻をやぶって自分で飛ぶ所まではいけたかなと。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

最新刊から選びましてWアンコールの南京錠のシーンです。

カバー裏にも少しレポを描きましたがWアンコール作中舞台である韓国に取材に行きまして、実際に二人の南京錠を描いて置いてきたんです。

取材旅自体はタイムアタックすぎて大変でしたがそんな思い出もはさみつつ、2人の物語の完結らしいシーンにできたなという意味でも気に入ってます!

ひなと付き合う前の鷹臣だったら絶対やらない、なんだかんだひなに染まって生き方変わったんだなとしみじみできるシーンでもあります。

――みよしあやとさんは普段漫画を描かれる際、どういったところからストーリーや世界観、キャラクターなどの着想を得られているのでしょうか?

BLはとくに自分が持っている『こういうのが好き!』を出して、そこに共感してもらうという要素が強いジャンルなのかなと思うので、まずはその『こういうのが好き!』を見つめ直す所から最近は始めているかもしれません。

自分は受けの2番目の恋が異様に好きなんですが、そうするとどういうキャラがいいかな…というような感じで。

あとこれは最近気づいたんですが会話の中で見つけて構築していくのがどうも向いているようで、担当さんとの会話(というか8割くらい聞いてもらってる状態)で思いついたものをぽんぽん口にだして道を見出しています。

でもこれも頭の中に色々ないといけないので、日々好きなものや興味のあるものを自分の引き出しになんでもかんでも詰め込んでそこから引っ張り出す、というのが正しいのかも。

――みよしあやとさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

先の質問でも少し言及したんですが、ここ数年でかなり自分の中でBL自我が確立されて自分はこういうのが好きなんだ…!というのがはっきりしてきたのでそこを突き詰めていきたいなと思ってます。

BL自我ってなんだって感じなのですが、いわゆる癖とかフェチとかカプ観とかそういうのをひっくるめたものを指したい時につかう、勝手に作った言葉です…笑

漫画に対してもかなりロジカルに考えるようになったなと思うので、自分が萌えると思うものをしっかり伝えきれるようになりたいですね…!

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

このシリーズを3冊も続けることができたのは読んで下さった皆様のおかげです、本当に感謝しています…!

アイドルものなのでSNSで何か発信する際も実在感を意識して色々やっていまして、そんな私ばかりが楽しいであろう遊びにお付き合いくださる皆様にもいつも救われています。

これからも一緒に遊んでください。

ひなどりくんシリーズ、たかひなとしての物語はこれで完結になりますがこの中で生まれたRedustRev.というアイドルの物語は何らかの形で続けていきたいなと思うのでまた応援して頂けたら嬉しいです!