幕末の動乱期、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(CV:斉藤壮馬)が、「不殺」の流浪人となって新たな時代を生きようとする姿を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。これまで舞台や実写映画化など、時代を超えて愛され続けてきた大人気作が2023年に新アニメとして復活。2024年10月からは、第二期となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』(毎週木曜深夜1:05-ほか、フジテレビほか/ABEMA・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)が連続2クールで放送。第33話(第二期9話目)は、十本刀のひとり、沢下条張(CV:岡本信彦)と剣心の決着を描いた「禁忌の抜刀」。(以下、ネタバレを含みます)
「こっからが真骨頂や」と笑みを浮かべる張は、腰に巻いていた「薄刃乃太刀」を取り出して剣心に襲いかかる。張が「一番の愛刀」と呼ぶその太刀は、薄くて長い刃をもち、ムチのような変則的な軌道で剣心に襲いかかる。この奇剣を完全に操ってみせる張の前に、まともな武器を持たない剣心は足を斬り付けられ、さらには逆刃刀の鞘までも折られてしまい大ピンチに。戦況を見つめていた新井青空(CV:広瀬裕也)は、人質に取られている息子の伊織(CV:田中貴子)を助け出してこの場を離脱することを考えるが、それは言い換えれば、剣心を囮にするという非情な選択でもあった。
序盤、「薄刃乃太刀」を操る張の必殺技が連発。原作でもおなじみの「我流『大蛇』」のほかにも、アニメオリジナル技の「我流『蜷局』」と「我流『毒牙』」も披露。その太刀筋は刀の範疇をはるかに超えるものだが、それでも初見でそれらをかわしてみせた剣心の身のこなしが見事だった。ちなみにこの「薄刃乃太刀」は、剣先をわずかに重くすることで、手首の微妙な返しをそのまま刀の軌道に伝えて操ることができるという設定で、これもいかにも「るろ剣」っぽい。「二重の極み」や「戻し斬り」などもそうだが、技や武器にもっともらしい説明がついていて、(実際にそうはならなくても)ついつい納得させられてしまうのもこの作品の醍醐味のひとつなのだ。また最後には、剣心の新時代にかける強い想いも語られた。伊織を「新時代の申し子」と呼び、自分の命に代えてでも助けると言い放つなど、改めて剣心の生き様が感じられるシーンだった。なかでも「時代を創るのは刀でなく、それを扱う人でござる」のセリフには、SNS上でも「るろ剣の名言の中でもトップクラスに好き」「剣心かっけぇ……!」などの声があがっていた。
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