星野真里&加藤ローサ、“親子愛”描く作品でW主演「子どもを通して気付くことは多い」

星野真里と加藤ローサ(写真右から)撮影:森井夏月

20年ぶりに役作りでロングヘアーに「でも家族には不評でした(笑)」(加藤)


――役作りで意識されたことはありますか?

星野:原作で気持ちの流れが丁寧に描かれていたし、加藤さんが萌音を演じると聞いてイメージがわいたのですんなりできました。それに息子・透輝役の今井くんが吸い込まれるような透明感があって(笑)。でも変にかしこまらずに話してくれたので、本当の親子みたいな会話ができました。武田(航平)さんとは何度か共演していたので、2人で話すシーンの空気感とか心地が良かったです。

加藤:私は役作りで20年ぶりくらいにエクステを着けて、髪が長いのが新鮮で女性らしさが出ていたかなと思いました。でも家族にはめちゃくちゃ不評でした(笑)。

――今作は「香り」が一つのテーマになっていると思いますが、香りで思い出すこと、人などはありますか?

加藤:上京したての頃にスタイリストさんから「ローサ」という名前のアロマをプレゼントしていただいて。その香りをかぐと、当時のこと、住んでいた家などを思い出します。そのアロマは大切で使えなくて、今でも大事に持っています。

星野:元々シナモンの香りが好きで、寒くなると街でもジンジャーブレッドのお菓子や紅茶などを目にすることが多くなると思いますが、それがすごく好きです。その香りをかぐと全身に幸せが巡るというか、香りにこんな力があるんだなって思います。

星野真里と加藤ローサ(写真右から)撮影:森井夏月

実際に母になった星野・加藤が共感する“親子愛”の物語に注目


――桜と萌音が再会したことはいわば運命ともいえますが、お二人にとって運命といえるエピソードはありますか?
 
加藤:アン ミカさん風に言うと全てが奇跡なんですよね(笑)。

星野:娘の出産予定日が私と同じ誕生日だったのでこれは運命だと思ったのですが、数日ズレました。娘に障害(指定難病の『先天性ミオパチー』)があり、いろいろ勉強していたら私が生まれた1981年は(国際連合が指定した)国際障害者年という年だと知って、背中を押されたような気がしました。

加藤:日々の出来事を「運命」だと思えることや、「これは素晴らしいことだ」って思えることが大事ですよね。

――今作は親子愛、家族愛について描かれていますが、自身とお子さんと似ていると感じるところはありますか?

星野:人見知りするところと最初にじーっと回りを観察しているところが似ています(笑)。

加藤:長男の人との関わり方が私とすごく似ていて、見ていると笑ってしまいます(笑)。一人なんです。親しい人もいるし、大体の人とうまくコミュニケーションも取れるんです、でも一人ぼっちなんです。私は一人っ子だからそうだと思っていたんですけど、長男を見て私と同じだなって思いました。一人っ子だからではないんだなって、子どもを通して気付きました。

星野:子どもを通して気付くことは多いですよね。自分と同じような言い方をしていたりして、えっデジャヴ?みたいな(笑)。

加藤:そうそう!

――最後に本作で特に注目してほしいポイントを教えてください。

星野:作品のテーマに“香り”があるので、その香りを映像でどう表現するのか試行錯誤だったのですが、風と映像をうまく使って、きっとうまく表現されていると思います。叶ちゃんとの出会いのシーンや萌音との再会のシーンなど、皆さんにも香りが伝わるといいなと思っています!

加藤:これから最終回に向けて急展開していくのでお見逃しなく……以上です!(笑)

「きみの継ぐ香りは」第5話より(C) 小川まるに/シーモアコミックス (C) TOKYO MX

12月6日(金)放送・第5話あらすじ


萌音(加藤)の家が主催するバーベキューパーティーに誘われた桜(星野)は、一瞬、参加を躊躇してしまった。萌音の夫・星井博彦(池田良)とは萌音の結婚式できちんとあいさつもできておらず、再会がばつが悪かったのだ。しかし、いざパーティーに参加してみると、桜には当時とは違う感覚が芽生えていることが分かり、安堵(あいさつ)するのだった。

一方で透輝(今井)はパーティーの最中に叶(瀧澤)から何気なく言われた言葉「透輝くん、どことなくパパに似ているね」に違和感を覚える。その夜、楽しい一時を終えた萌音は、ひとり大学時代の桜との日々を振り返っていた。これまでしてきたことを自戒しながら…。

◆取材・文:NAGACO/撮影:森井夏月
 ヘアメイク:佐々木篤(星野)、三宅茜(加藤)
 スタイリスト:ヨシノ(星野)、浜木沙友里(加藤)