BTSの最年少メンバー・JUNG KOOK(ジョングク)のドキュメンタリー「<JUNG KOOK: I AM STILL> THE ORIGINAL」が12月3日に配信された。同作は2023年7月にリリースされたソロシングル「Seven(feat.Latto)」から同年11月にリリースされた1stソロアルバム『GOLDEN』での兵役に向かうギリギリまでのソロ活動に密着したもの。2024年9月18日より各国の劇場で段階的に公開されると全世界で約138万人を動員。今回の配信版は全3話となっており、劇場版で未収録だった6曲を追加した「JUNG KOOK『GOLDEN』Live On Stage」のフルバージョンを収録。さらに本人インタビューやアルバム発売後に行ったアメリカ・ニューヨークのタイムズスクエア特設ステージでのサプライズ公演に向けての練習風景、世界的R&BシンガーとのMV撮影シーンなど、約55分の未公開映像も追加されており、劇場版を見た人にも新鮮な感動を与えるものになっている。(以下、ネタバレを含みます)
「Departure」と題された第1話冒頭のインタビューの中で、JUNG KOOKは「認められるかどうかが、気がかりだ」と語っている。数々のギネス記録を持つBTSの一員であるにもかかわらず、彼には1mmもおごりがない。この発言からもそのことが伝わると思うが、彼の謙虚な姿勢は常に変わることがない。アメリカ・ロサンゼルスに渡り、ジャスティン・ビーバーからザ・ローリング・ストーンズまで手掛けるグラミー賞プロデューサーであるアンドリュー・ワット氏のスタジオで初めて「Seven」のトラックを耳にした時には、「僕に歌えるかな」と緊張した表情を見せ、ワット氏に「なぜ? 傑作になると思うよ!」と激励される一幕も。
そのままレコーディングに入ると、ネイティブではない人には難しい英語の表現を何度もリピート。ワット氏は「全ての人が納得するまで同じパートを繰り返し、さらに彼自身も納得するまで歌い続けた」と語っている。JUNG KOOKは、生歌でも音程やリズムが乱れない正確無比さから“口から音源アーティスト”とも呼ばれているが、その歌声を実現するためにはどれだけのたゆまぬ努力が積み重ねられているのかを目の当たりにすることができる。天才肌で努力を惜しまないのが彼のすごさなのだろう。その後、「Seven(feat.Latto)」はアメリカBillboard Hot 100で1位を記録。ここから彼の快進撃が始まる。
同じくワット氏がプロデュースした「Standing Next to You」は、さらにヒートアップ。楽曲もダンスもどこかマイケル・ジャクソンを彷彿(ほうふつ)とさせる、同アルバムタイトル曲は幅広い世代に支持された。さらにはR&Bシンガーのアッシャーとのリミックスバージョンもリリース。兵役直前に渡米し、MV撮影も実現させている。約8カ月の活動で建てた金字塔は今回のドキュメンタリーの中でも紹介されているが、今作では2023年の軌跡だけでなく、BTSとしてのデビュー以前からの写真や映像も収録。彼の幼少期からの成長を見ることができるのも大きな魅力だ。
ARMY(=BTSファン)にはおなじみの話だが、デビュー前の彼はとてもシャイだった。歌声は美しいが、まだ子どもで声も細く、練習生になるまでちゃんと習ったことのなかったダンスも自信なさげ。第2話では振付師であり、ダンスの先生でもあるソン・ソンドゥク氏が、そんなJUNG KOOKがどれだけの努力を重ね、どう変化したのかを熱弁している。また、やはりデビュー前から彼を知るプロデューサーのPdogg氏は、BTSでのJUNG KOOKの役割と、ソロでの違いについても語っている。
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