佐藤寛太、“男子ヒロイン”ポジションで魅力を発揮 恋愛群像劇での挑戦語る<情事と事情>

「情事と事情」に出演する佐藤寛太撮影:永田正雄

倉科カナが主演を務めるオリジナルドラマ「情事と事情」が12月5日よりLeminoにて独占配信中。本作は同名小説を原作に、さまざまな事情を抱える男女の関係が複雑に交差し意外なつながりを見せていく、“情事と事情”が絡み合う恋愛群像劇。劇団EXILEの佐藤寛太が演じるのは、写真家のアシスタントをしながら、カメラマンとして独り立ちするために売り込み中の世良晴人(せらはると)。さとうほなみが演じるフリーライターの中条彩江子と関係を持ち、自分にとって重要な存在だと思っているが、愛里紗(倉科)にも好意を寄せる…という役どころ。今回のインタビューでは演じる役や共演者について、また役柄とも関係する自身の趣味・カメラについても語ってもらった。

“どうやったら魅力的に見えるのか”監督と相談


――「情事と事情」への出演が決まって、原作を読んだ時の感想から聞かせてください。

“不倫”とかいろんな恋愛が描かれた物語で、人間関係も複雑に絡んでいたりするんですけど、僕自身はこういうタイプの小説はあまり読まないんですが、描き方が上手だなと思いました。原作を読んだ段階では、“世良晴人”がどういう人物なのか、つかみきれない部分もありました。

――監督からの演出や、方向性などの指示やアドバイスは?

結構話し合いましたよ。この作品では、晴人は“男子ヒロイン”ポジなので、どうやったら魅力的に見えるのかを監督と話し合ったんです。「もっとゆっくり話したりするだけでも色気が感じられるんじゃない?」とか。

そういうところはこれまであまり演じてこなかった部分でもあったので、晴人を演じられて良かったなって思います。

――演じてみて、佐藤さんから見た世良晴人はどういう人物ですか?

あまり自分に蓋(ふた)ができないのかなっていうのは感じました。正直な性格というのではなくて、その時に思ったことをそのまま言ってしまうタイプなのかなって。

原作(小説)の晴人は結構尖っているんですけど、ドラマの台本のほうではもうちょっとまろやかになっていました。細やかな気遣いができるので、モテそうですよね。とは言え、内側には悩みを抱えていたりしますし、一面的ではないので、演じる時にいろんな可能性を感じました。

私生活でもカメラが趣味「自分にしか撮れない写真って?」


――カメラマンの役ですが、演じるにあたって何か意識されましたか?

僕自身、普段から写真を撮るのが好きなんですよ。いただいた役の設定の中に“廃墟の写真を撮っている”というのがあったので、カメラマンとしての晴人はどういう人(写真家)がすきなんだろう?というのを考えたりしました。

撮影に入るまでの準備期間中に、国内ですけど、いろんな場所に行く機会があって、その時に「晴人だったらどんな写真を撮るのかな」というのを考えながら撮ったりしてました。

――佐藤さん自身もカメラでよく写真を撮るということですが、カメラの魅力というと。

そうですね。本格的に撮り始めたのはここ1年ちょっとくらいなので、そんなに詳しくないんですけど、去年の夏、インド旅行をしたんです。1カ月くらい滞在して、いろんなものを撮りました。帰国してから写真を見返すと、その時の思いが蘇ってきたりしますし、そういうところが写真の良さだと思います。

そういう旅行に限らず、たとえば、友達と居酒屋に行った時に何気なく撮った一枚も、後で見てみると「あの時、俺ら楽しかったよな」って、いい思い出として残ったりしますし。その瞬間を残すことができるのがいいですね。

――その時にしか撮れないものがあったりしますし。

そうなんですよ。今回のドラマを撮影しながら「自分にしか撮れない写真って何だろうな?」って思ったりしました。

僕は、身近な人を撮りたいんです。自分にしか見せないその人の表情が撮れたらいいなって思いますね。昔は、夕焼けとか景色を撮ることが多かったんですけど、今は人を撮るのが楽しいです。

――お仕事をされていて、プロのカメラマンの方と会ったりすることも多いと思いますので、演じる上で参考になったりしそうですね。

はい。今回現場にスチールカメラマンで入ってくれた水津惣一郎さんもいらっしゃいましたし、もともと仲良い人でカメラマンをやってる方も多かったりするので、そういう人たちが何を大事にしてたかなっていうのも、演じながら思っていた部分があるかもしれないです。

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