――そんな第5話を観てから、第1話を見返すと、皆さんのお芝居の素晴らしさを改めて実感しました。セリフにはない部分も、しっかりと意味がある表情や仕草をしていて、驚きます。
大野:本当にそうですよね。第2話の小夢のきつねダンスの意味をはじめ、こういったちょっとした違和感の答えが、視聴者の方々に伝わる瞬間が楽しみの1つでもありました。
黒岩:撮影の最初の頃、各事務所さんから「このリアクションはどういう意味ですか?」とよく問い合わせが来ていたので、神様という設定等は説明させていただきました。ただ、その時点でまだ台本を(小夢が天宇受売命という神様であることが判明する)第7話までは書けていなかったので、役者の皆さんは演じるのが大変だったと思います。
でも、それを皆さんがしっかり解釈してお芝居をされていたから、第1話を観たときにすごく感動して。理解度の高さに驚きました。猿田毘古神である芹田正彦役の迫田(孝也)さんが、本当に何千年も守ってきた夫みたいな感じで記憶がない小夢を迎えに行くじゃないですか。その切なさに僕は1人、泣きそうになっていました。
――確かに、第7話放送後に私も第1話を見返して、そのシーンで胸がギュッとなりました。では、最後にクライマックスに向けて見どころをお願いします。
大野:ここまでご覧になってくださった皆さま、本当にありがとうございます。初めは不可解な異常事件を解決していく組織の物語という見え方から、途中から本当は人間界を守ってきた日本の神々の話なんですとなり、驚きの展開が続いたと思います。
第9話と第10話はこれまでの驚きをさらに凌駕するような展開になっているので、最後まで見届けていただけたらうれしいです。日本の神話を扱うこのドラマは、おそらく過去に例を見ないような作品になっていると思うので、まだご覧になってない方々にもぜひ見ていただきたいです。最後まで楽しんでいただけたらと強く願っております。
黒岩:第8話からまた少しギアが変わってきて違う世界観の話になってきたものが、第9話と第10話でさらに振り切った話になります。現実的ではないですが、素晴らしい役者さんとチームのおかげで、最後までご覧いただいた方には「見てよかったな」と感じていただけるものには絶対になっていると思います。
神様は現代社会に何を思い、 神様がいることを知った人間もまた何を感じるのか、そして神様は何のために存在しているのか…など、そういったちょっと変わった視点から今の世の中を見たときにどう切りとられるのかといったテーマもあります。あまり難しく考える必要はないのですが、そういったメッセージ性も感じていただけたらうれしいです。
構成・文=戸塚安友奈
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