並外れたビジネスの才覚を持つ天性の人たらし“ハル”こと天王寺陽(CV.大塚剛央)と、パソコンオタクで人付き合いが苦手な“ガク”こと平学(CV.石毛翔弥)が、トリリオンダラー――1兆ドルを稼ぐことを目的に会社を立ち上げる起業サバイバルストーリー「トリリオンゲーム」(毎週木曜深夜1:58-2:28ほか、TBS系/Prime Video・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)。その第12話「ワルがふたり」が12月12日に放送された。ハルと祁答院一輝(CV.東地宏樹)がタッグを組み、祁答院の古巣である芸能事務所の買収を画策。ハルがこれまで以上にワルさを発揮し、視聴者を煙に巻いた。(以降、ネタバレが含まれます)
数年前まで、芸能事務所ゴッド・プロモーション(ゴップロ)でチーフマネージャーを務めていた祁答院。その敏腕ぶりからゴップロの実質的なナンバーワンと称されていたが、目をかけていた所属タレントのヒムロ(CV.沢城千春)がひき逃げ事件を起こしたことから運命は一転。ヒムロの身代わりとなった祁答院は逮捕され、仕事も家族も全て失ってしまうという過去があった。
体を張ってタレントを守った末にどん底へ落ちるも、再起して今の会社を興した祁答院の生き様に視聴者も心を動かされたようだ。SNSには「祁答院さん…カッコイイ…」「祁答院さんの男気に震えます」「祁答院の前科に絶句。ワルだけど男の中の男だね」など、祁答院への共感と賛辞の声が続々と投稿された。
2人でメディア帝国の土台を完成させようというハルの誘いに、祁答院は握手で応える。タッグを組んだワル2人が乗り込んだのは、祁答院の古巣であるゴップロ。2代目のボンボン社長の神(CV.松風雅也)に面会したハルは、ゴップロの経営権をタレントごとトリリオンゲームに譲渡してほしいと切り出し、このあとゴップロの大株主たちに買収計画を相談しに回るつもりだと話す。
呆れ顔で拒否する神に、ひき逃げ事件の顛末を週刊誌に売れば、ゴップロは終わりだとうそぶく祁答院。そんなことをすればヒムロの役者人生を終わると息巻く神だったが、祁答院はヒムロを巻きこんで一芝居を打ち、買収の本気度をアピールすることに成功する。
人間は他人の手のひらの上で踊らされるのが一番嫌なもの、先回りして自分たちを出し抜こうとするはず。そんなハルの読みどおり、神は大株主たちに次々と連絡し、買収計画を持ち込んでくる連中は詐欺集団だから相手にするなと警告するのだった。
しかし、ハルのワガママが本領を発揮するのはここから。その夜にハルと祁答院はゴップロの大株主の1人と接触。近く週刊誌にひき逃げ事件の真相が掲載され、ゴップロの株価が急落すると話すハル。思いがけないゴシップに株主は首をかしげるが、神社長からの電話を思い出しハッとする。証拠不十分な昔話を、神社長が自らの手で真実に塗り替える――それこそがハルの狙いだった。
さらにハルは、株主との会話を録音していたことを明かし、このあとにゴップロの株を売り抜けばインサイダー取引になると指摘。まんまと株主を抱き込んでしまう。全てを見通し相手を思うがままに動かすハルの手腕に視聴者も盛り上がる。「手口が巧妙すぎる」「ハル本当に恐ろしい子…」「ハッタリかましての相手に自ら種を蒔かせるムーブ」など、感嘆のコメントが飛び交った。
株主からいくら出せるかと聞かれ、ハルが提示したのは20億円。つまり、ニセのゲーム開発で集めた資金全てだ。SNSには「ハッタリかまして脅して全ツッパは想像の斜め上すぎて面白すぎる」「20億全部使っちまってどうすんの!からがハルの見せ場だよな」といった声から、「こんなとこで終わりなんてしんどいよ~早く見たいよ~」と次回を待ちきれないという声まで熱いコメントがあふれた。
◆文=帆刈理恵(スタジオエクレア)
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