コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、B.Pilzで掲載の茉白あさひなさんが描く『お狐様のお気に入り』をピックアップ。
茉白あさひなさんが2024年11月30日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、9,500件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、茉白あさひなさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
ブラックな会社に勤め、毎日遅い時間まで残業する日々を送っていた主人公の一宮 暦(いちみや こよみ)。日々を“ただ死なないためだけに今日も生きる”として過ごしていた。
“平凡であるということは あまりにも難しい”と感じる暦は、その日も一人寂しく家でカップラーメンを食べていた。すると、大学時代の同級生から連絡が入り、週末に花見に誘われる。花見の席で近況を報告しあっていると、友人の一人・藤(ふじ)が、結婚を考えていた相手にフラれたと嘆く。その話の流れから、花見スポットの近くにある縁結びで有名な神社に行くことに。
神社で何を願えば良いか迷った暦は、ありふれた幸せを密かに願う。さらにお稲荷様にもお参りする一行。なぜだか暦はそこにあった狐の像が気になってしまう。
その日の夜、突然家のインターホンが鳴る。ドアを開けるとそこには、狐の耳と尻尾をはやしたきれいなひとが立っていた。「会いたかった」という狐は三珠(みたま)と名乗り、暦に一目惚れしたのだと言う。そして願いはなんでも叶えるから結婚しよう、と言うのだった…。
作品を読んだ読者からは、「メチャクチャ可愛くて幸せがいっぱいでニッコリしてしまった」「とても幸せな気持ちになれる作品」など、反響の声が多く寄せられている。
――『お狐様のお気に入り』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
私が塞ぎ込んでいた時期に親友が色々な場所に連れ出してくれたことがあり、そのうちの一つが神社でした。
その時に、前掛けの代わりに赤いマフラーを巻いている狐の像がいる神社があったことを思い出し、そこから『マフラーを巻いてもらったことがきっかけで人の子に恋をするお狐様の話』の着想を得ました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
疲れた時やつらい時、落ち込んだ時の癒しとなるような作品にしたかったので、嫌な人物は登場させない・大きな荒波も立てない・作品を読んだ誰かを傷つけたり悲しませるような言い回しはしない等…とにかくストレスなく読めることを意識しました。
あとは、自分の周りにある幸福も人間関係も“当たり前”ではないからこそ、感謝の気持ちは忘れずに、キャラクターにはどんな些細なことでも「ありがとう」を伝えてもらうようにしました。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
たくさんあって選びきれないのですが…。
やはり7話の「暦との数十年が欲しい」という三珠のセリフは気に入っています。
愛した人と触れ合えない、二度と交わることのない永遠よりも、全てを投げ打ってでも共に生きる数十年を選んだことに、三珠の覚悟とまばゆい愛が現れているなと。
――普段漫画を描かれる際、どのようなところからキャラクターやストーリーの着想を得られることが多いですか?
ふとした瞬間にネタが降ってくることが多いです。
一人で電車に乗ってぼーっと揺られている時が一番多いのですが、昨年はインフルエンザの高熱にうなされている時に一作分のネタが降りてきました。それもいつか形にしたいです。
――茉白あさひなさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
『お狐様のお気に入り』の続編を描きたいです。
あとは、ドラマCDやコラボカフェ、自作品の公式ぬいには憧れがありますし、いつかリアルサイン会で読者さんたちにお会いしてみたいです!
これらに関しては読者さんからもご要望をいただいているのですが、どうしても作品の売上次第になってしまうところがあり…叶えられるように精進いたします!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。
今回このような機会をいただけたのも皆様の応援があってこそだと思っております。
漫画を描いていると、様々な感情から筆を折ってしまいそうな瞬間が何度もあります。そんな時、頂いたお手紙やコメント、読者さんの作品を愛してくれる気持ちにいつも励まされています。
作品を通じてその恩返しをしていきたいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
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