―3話では、上村さんと同じONE N' ONLYメンバーの沢村玲さんと関哲汰さんの友情出演も話題となりました。
蛭川が出入りしているビリヤード場のシーンですよね。不良仲間の役で出ていただきました。2人とも現場では「よろしくお願いします!」という感じで、普通にイチ役者として来て真摯に臨んでくれていました。あとは上村くんが愛されてるなっていうのも感じましたね。2人が「謙信をよろしくお願いします」なんて言ってくれて。
――上村さんはメンバーと共演してどんな様子でしたか?
うれしそうでしたよ。デレてるというか。ビリヤード場は割と大変で重いシーンが多いので、実は切羽詰まっていたかもしれませんが(笑)。
――主題歌や劇中の音楽もすごく胸に沁みます。ドラマにマッチしていますよね。
劇中の楽曲は、主題歌とは別に作品を表すメインテーマのようなものが一つ欲しいと思ったんです。女性の歌っている声が楽器のように聴こえる、水無瀬と蛭川の間の儚さを表現したような本当に素晴らしい音楽を作っていただきました。初めて聴いたとき泣きそうになりました。ドラマの中で流れるタイミングもすごくいいんです。今回のスタッフは本当にみんながこの作品を愛してくれている人たちで、音楽もすべてがうまくハマっているんです。当たり前ですが、僕が一人で作っているわけじゃないし、スタッフの皆さんの素晴らしいアイデアや力があってこのドラマができているなと思います。
――ONE N' ONLYの「SAVIOR」が流れるオープニング主題歌のタイトルバックも凝った仕上がりですよね。
あれもカッコよく作ってくださっていますよね。CGまでいかないけど、いろんなエフェクトを使って仕上げてもらっています。実はあのオープニングの映像は終盤で少し変わるかもしれないんです。登場人物たちの年齢が上がるタイミングでちょっとした仕掛けを考えているところです。エンディング主題歌の「花瓶」(ココラシカ)もいいんですよね。僕、いつも感動してて。タイトルにちなんで作品の中にこっそり花瓶を置いていたりするので、良かったら探してほしいです。
――今回のインタビューは第8話のオンエア終了後に公開されます。残り2話の見どころを教えていただけますか?
8話までで2人の初恋や初めてのいろんな感情が描かれて、9・10話では2人がその初恋をどう心に抱いて大人になっていくか…というのが描かれます。初恋って、みんなそうだと思うんですけど、心にグッと残っているものじゃないですか。それを糧にしている人もいれば、傷として残っている人もいて…。そういう恋愛を経験した2人がどんな人生を歩んでいくかというのを見届けていただければと思います。
――2人の恋の結末と、人としての成長物語が気になります。
ワンエン(ONE N' ONLY)の曲(「SAVIOR」)の通り、救いのある話になったらいいなって思います。でも、どういう結末であれ、未成年ならではの揺らぎや、もやっとした噛み砕けない時間があって人は大人になっていく――という僕の今回描きたかったテーマは描けたかなと。絶対的なハッピーエンドがハッピーエンドではないと思っているし、大人になっていく上で乗り越えていくものや、そこで見つかる大事なものが最終的に伝わるといいなと思って最終回まで作りました。ぜひ最後まで、水無瀬と蛭川を見守っていただけるとうれしいです。
取材・文=川倉由起子
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