back number は、8月3日から約4カ月半にわたり15会場32公演、各公演にメンバーからのリクエストに応えてくれた16組のゲストアーティストを招いた対バン形式の初のアリーナツアー「anti sleeps tour 2024」を開催し32万人を動員した。12月21日、22日にクリープハイプとの対バンでマリンメッセ福岡A館にてファイナルを迎えた。
back numberの対バン形式でのアリーナツアー、マリンメッセ福岡2Days公演(12月21日・22日)には、ゲストとしてクリープハイプが登場。お互いへのリスペクトと憧れと、だからこそ拭い難く付きまとうライバル意識を明かしていた、クリープハイプ・尾崎世界観とback number・清水依与吏。「呼んでもらえて、ここに立たせてもらえて、とても嬉しく思っています」という尾崎のMCに続けて、「しょうもな」「イト」「栞」を披露したクリープハイプ。
「『清水依与吏になりたい』と――悔しいな、いいなと思っていた時もあったけど、自分は自分がいい、尾崎世界観がいいなって、最近は思っています。これからも、あの人のライバルとして、尾崎世界観をやっていこうと思っています」と述べた尾崎はback number「水平線」のカバーを歌唱。珠玉のアクトを「天の声」「二十九、三十」で締め括り、深々と礼一する4人に、惜しみない拍手喝采が巻き起こった。
back numberは「高嶺の花子さん」イントロのストリングスで登場。清水は「よろしくお願いします!」と声の限りに叫んだ。そして、「大不正解」のエクストリームなバンドアンサンブルで満場のクラップを呼び起こしたところで「アイラブユー」のメロディアスな楽曲世界へと観客をいざなった。
「俺はね、尾崎になりたかったのよ。ライブに行くたびに、ずっと思ってたんだよね。絶望的に、俺にないものを持っていて」先ほどの尾崎のMCに応えるように、清水が語る。「尾崎世界観っていう人が同じタイミングで生まれてなかったら、間違いなく今の清水依与吏にはなってないだろうし、なろうとも思わなかっただろうし。だから、ずっと基準で、ずっと目印で、ずっと星で」と話す清水の言葉に続けて「光の街」が響き渡った。
清水が弾き語りで歌い上げた「水平線」から高らかな大合唱が広がった「花束」などで会場が一体感に包まれた。そして、サポートメンバーが退場し、メンバー3人だけで披露した最後の曲は、back number が今回のツアーを通して演奏してきた楽曲であり、クリープハイプのトリビュートアルバム『もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって』でもカバーしていたクリープハイプの楽曲「バンド」。
清水自身も終演後のMCで「自分たちの曲以上に『俺の歌だな』と思った」と語っていた。演奏を終えた後、クリープハイプのメンバーを呼び込み、7人で舞台に立った back numberとクリープハイプ。「ありがとうございました。心に残りました。『バンド』の歌詞の日付を2024年12月22日に変えます!更新していきましょう!」と尾崎が言うと「いやいや!本人ブレちゃだめだと思う(笑)」と清水が突っ込んだり、ライブ本編とは一転して仲睦まじい姿を見せた。
「全然違う道を通ったけれども、こうやって久々に会って、お互いの想いをぶつけ合えば、こういう気持ちになれるんだなと思って。それはお互い、一生懸命やってるからだなって思いました。これからまた、違う道を歩むとは思いますけど、あなたのことを不幸にしようと思って書いてる曲は1曲もないので。これからもクリープハイプとback numberをよろしくお願いします!」と清水が話し、最後を締めくくった。