忍術学園一年は組の教科担当教師で火薬委員会顧問。火薬や兵法に詳しく、カマボコやちくわなどの練り物が苦手という一面も。一年は組の“忍たま”たちにいつもヤキモキさせられ、胃がキリキリしている。常に優しく温かい土井先生は、“忍たま”たちからの信頼もあつい。
境遇が似ているからときり丸を気にかけ、忍術学園が長期休み中は一緒に暮らしている。家族のような深い絆で結ばれている2人だが、土井先生はきり丸のアルバイトを手伝うといつも大変な目に…。それでもきり丸のアルバイトを手伝い続けるところに土井先生の愛情深さと面倒見の良さを感じる。
一年は組の実技担当教師である山田(伝蔵)先生とは親子のような関係性が垣間見える土井先生。山田先生の一人息子でフリーの売れっ子忍者・山田利吉 (やまだりきち)からも「お兄ちゃん」と慕われている。実は、忍術学園の教師になったきっかけが山田先生との出会い。そして、その偶然の出会いによって土井先生は山田親子に命を救われている。
土井先生は幼いころに屋敷が夜襲に遭い、家族を失い天涯孤独の身となっていた。その後、所属していた忍者集団から抜けようとして、追われていたところ、崖から転落してしまう。そして、その崖の下にたまたま居合わせたのが、山田親子だった。 当時すでに忍術学園の教師だった山田先生は、怪我をした土井先生を家に連れ帰り、家族総出で介抱する。
このとき利吉はまだ12歳で、たまにしか家に帰ってこない山田先生との貴重な一家団欒の幸せな時間を土井先生に邪魔されて、機嫌を損ねていた。当時から利吉は父親である山田先生を尊敬してやまなかったため、土井先生の突然の登場は相当気に食わなかったはずだ。だが、その後、しばらく土井先生が山田家へ身を寄せ、寝食を共にすることで、次第に打ち解けていく。
利吉はその土井先生の柔和な人柄と忍者としての優秀さに惹かれ、すっかり懐くように。気付けば「お兄ちゃん」と呼ぶまでに慕っていた。ちなみに土井先生は山田先生の紹介で忍術学園へと入り、教師となっている。
実は壮絶な過去を背負っている土井先生。だが、その過去があったからこそ、恩人・山田親子とのハートフルな関係性があり、同じく家族を失っている戦災孤児のきり丸との特別な絆もある。不思議な運命だ。もしかしたら、誰よりも辛い過去を背負っているからこそ、土井先生の深い愛情と底抜けの優しさが形成されたのかもしれない。つらい経験をした分だけ、人は視野が広がる。人の痛みが分かるからこそ、人は優しくなれるのだ。
そんな土井先生がなぜドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼となってしまうのか。その理由と普段は見られない土井先生の姿をぜひ劇場で確かめてみてほしい。
構成・文=戸塚安友奈
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)