コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、施川 ユウキさんが描く『バーナード嬢曰く。』(一迅社)より『昔のSF小説のジェンダー表現に物申す』をピックアップ。
施川 ユウキさんが2024年12月5日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、施川 ユウキさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
図書室でいつも一人で本を読んでいる町田さわ子は、バーナード・ショーに影響され、自身のことを“バーナード嬢”と呼んで欲しいと周囲に言っていた。
ある日、カフェで友人の神林と一緒に読書をしていると、バーナード嬢は神林に借りた昔のSF小説で「気になることがある」と言う。すると、神林はバーナード嬢のその先の言葉を聞く前に「言いたいことはわかる」と言って、「昔のSFは未来を描いているのに価値観が古いままで時々違和感で引っかかることがある」と持論を語る。
会話がひと段落し、しばらくした後、「昔のSF小説では様々な未来の機器が出てくるのにスマホが出てこないことに気づいた」と言うバーナード嬢。すると、神林は実は先ほどバーナード嬢が言いたかったのはこのことだったのでは、と気づき、自身が慣れない言葉を使いながら古い価値観について話してしまったことを急に恥ずかしく感じるのだった…。
作品を読んだ読者からは、「内容もそうだけど互いの関係性が良い」「どんな天才も、「その時代性」から抜け出すのは難しい」など、反響の声が多く寄せられている。
――『バーナード嬢曰く。』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
当時の担当編集に勧められて、最初は図書室を舞台に偉人の名言を紹介する漫画として始まりました。ネタが続かなそうだったので、数話で読書漫画にシフトしました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
政治的な話題とも読めるので、過度に政治的に見えないバランスとリアリティを心掛けました。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
使い慣れない言葉を口にして、自分で恥ずかしくなる場面です。実体験として、よくあります。
――Xの投稿には多くの反響とコメントが寄せられています。その中で特に印象に残っているコメントはありますか?
スマホの登場をはっきり予見してるSFがあるのに知らないのか、みたいな指摘があり、コメントを最後まで読んだのだけど、その作品名が書いてなくて「おい!」って思いました。
――施川 ユウキさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
ド嬢については、連載を継続しつつ、スピンオフ的な1巻完結の物語を描けたらと思っています。なかなかアイデアがまとまらず、一進一退を繰り返しています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
今後とも、ド嬢のキャラクターたちを温かく見守っていただければ幸いです。
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