幕末の動乱期、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(CV:斉藤壮馬)が、「不殺」の流浪人となって新たな時代を生きようとする姿を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。これまで舞台や実写映画化など、時代を超えて愛され続けてきた大人気作が2023年に新アニメとして復活。2024年10月からは、第二期となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』(毎週木曜深夜1:05-ほか、フジテレビほか/ABEMA・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)が連続2クールで放送。第36話(第二期12話目)は、四乃森蒼紫(CV:内田雄馬)と志々雄真実(CV:古川慎)の初顔合わせを描いた「修羅の会合」。(以下、ネタバレを含みます)
剣心に会うため京都へとやってきた神谷薫(CV:高橋李依)と明神弥彦(CV:小市眞琴)は、比古清十郎(CV:中村悠一)の住処でようやく剣心との再会を果たす。清十郎は、剣心が水汲みでその場を離れているあいだ、薫たちから現在の剣心の様子を聞き取ると、15年での成長を感じ取り、飛天御剣流の奥義を伝授することを決める。こうして奥義伝授のための修行に入るふたりだが、清十郎は剣心に、奥義を会得して強くなっても一人の人間であることは変わらず、仏にも修羅にもなる必要はないと伝えるのだった。
剣心と薫の再会シーンは、ふたりの複雑な心境が入り混じった奥深いリアクションが見どころだった。ここへ来るまで「剣心に会ったら一発ぶん殴ってやる」と息巻いていた薫だが、実際に顔を見たらその気も無くなったようで、むしろ京都まで追いかけてきたことを怒っているのではないかと心配する始末。一方の剣心も、薫たちが追いかけてきたことで志々雄一派との戦いが不利になったことを自覚しつつ、気持ちの半分は「どこかホッとした」と語るなど、こちらも煮え切らない態度。この描写からは、ふたりの関係性が東京にいたころから少し変化しているようにも感じられ、この先のふたりの交流がさらに楽しみになるシーンだった。また、このようなかなりシリアスな会話劇であっても、弥彦と巻町操(CV:山根綺)がコメディ要員として躍動することで、悲壮感が漂わないのもさすがだ。出会ったばかりとは思えないふたりのコンビ芸は、今後ますます見どころになってくるだろう。これにはSNSでも「操ちゃんと弥彦いいコンビだよなぁ」「精神年齢はまったく同じっぽいw」などの声があがっていた。
街へと戻る道中、弥彦は京都で四乃森蒼紫を見かけたことを思い出すと、操がそれに反応。操が御庭番衆の一味であることを知らなかった弥彦は瞬時に警戒するも、薫はそれを諌め、操に事の顛末を話して聞かせる。一方蒼紫は、剣心の居場所を探るために柏崎念至(CV:千葉繁)と接触。念至から「いい加減目を覚まさんか」と忠告されるが、剣心を倒して最強の称号を手に入れんとする意思は変わらず。その後、蒼紫は瀬田宗次郎(CV:山下大輝)の誘いに応じ、ついに志々雄真実と初対面を果たすのだった。
ここで描かれた蒼紫と念至の接触は、お互いに背を向けあったままで、最後まで顔を合わす事なくその場を立ち去るといういかにも御庭番衆らしいもので、終始緊迫感に包まれていた。とくに念至は、蒼紫を御庭番衆のお頭に推薦した因縁もあり、彼の行く末を案じている様子がうかがえる。しかしそれでも、蒼紫が御庭番衆の誇りを忘れて修羅となった場合には「全力をもって、ワシがお前を潰す」と釘を刺す。実際に今の念至が蒼紫と戦って勝てるかは怪しいが、おそらくは自分の命を捨てる覚悟なのだろうと思わせてくれる迫力があり、ふだんの念至とはまったく違う鬼気迫るものを感じる名シーンだった。これにはSNSでも「さっきまでエロジジイだった翁の温度差よw」「ああ…心臓ギュッとなる」などの声があがっていた。
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