第1話は、不可解な異人の殺人事件の解決に半七が奮闘する姿が描かれた。同話での注目ポイントは、主役・半七を演じる尾上のスマートな魅力と存在感だろう。
「半七捕物帳」は過去に何度も映像化されており、梨園の名家である先代の六代目・尾上菊五郎さんが“当たり役”だと言われていた。プレッシャーを感じるであろう本作に挑んだ七代目だが、そこには“先代を踏襲しよう”と意気込むような熱気が感じられる。事件のヒントを察知した際のスマートな目つきや、気迫のあるセリフ回しに注目だ。
そんなカッコいい半七は、恋人・お仙の前で見せる優しい表情も魅力的。お仙はなかなか自分に仕事のことを教えてくれない半七に対しふてくされたような表情を見せるが、半七が横浜へ旅立つ際「きっと無事で帰って来てね」と声をかける。そんなお仙に、「大丈夫だよ」と応えるのだが、この時の半七の優しい声と、お仙との温かいやり取りは、江戸末期の情緒纏綿たる世界観とも相まって、より印象的なシーンに仕上がっている。
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