近年、日本で急激にファンを増やしている中国ドラマ。とりわけ中華ロマンを感じさせる時代劇や史劇の人気は高く、数十億円の製作費を投じて作り上げられる作品は、衣装からセットに至るまで豪華絢爛。壮大な物語を彩るのはビジュアル最強の俳優たちだ。一方、現代劇も心温まるヒューマンドラマから心拍数が加速するサスペンスまで年々ジャンルが充実し、仮想空間やAIをテーマにした作品も登場している。BS12 トゥエルビ(BS222ch、全国無料放送)では日本初放送のラブコメ時代劇「トキメキ☆翡翠ロマンス」をはじめ、歴史超大作の「武則天-The Empress-」、ラブストーリー現代劇の「愛なんて、ただそれだけのこと」を1月から放送を開始する。いずれも日本でも熱狂的なファンを獲得した注目3作品。本記事ではその見どころを紹介する。
時代劇の世界観や衣装を愛でながら、恋あり笑いありの軽快なストーリーを楽しめるラブコメ時代劇。その魅力を存分に堪能できるのが日本初放送となる「トキメキ☆翡翠ロマンス」だ。学問所を営む秀才揃いの宗家だが、三女の宋竹(そうちく/シアオ・イエン)だけは落ちこぼれのお転婆娘。そんな彼女が出会ったのが、学問所に入るため都から来た蕭禹(しょうう/ジャイ・ズールー)だ。じつは親同士が決めた許嫁だった2人。しかし、宋竹は決められたレールに反発し、秀才の周霽(しゅうせい/ション・インハオ)に想いを寄せる。
会えば喧嘩ばかりの宋竹と蕭禹だが、共に時間を過ごすうち、次第に想いを寄せ合うようになっていく。そんな恋模様は蕭禹、宋竹、周霽の三角関係にとどまらず、宋竹の親友・顔欽若(がんきんじゃく/ジョン・リーリー)を交えた四角関係に発展。それぞれの想いが交錯する“じれキュン”な恋の行方に誰もがドキドキさせられることだろう。さらに、蕭禹には学問所に潜入した極秘の目的があり、物語は別の一面も見せていく。
美男美女が織りなすコミカルなストーリー展開は飽きずに見られるところだが、なにより目を引くのが宋竹を演じるシアオのキュートさ。天真爛漫な末っ子令嬢の魅力は、幼さも残す、愛らしいシアオならではというものだ。そんな彼女と爽やかイケメン俳優ジャイ・ズールーのビジュアル最強セットは最大の推しどころと言えるだろう。
中国ドラマらしい壮大な史劇を楽しみたいなら、中国三大悪女の1人にして、中国史上唯一の女帝・武則天(ぶそくてん)の生涯を描いた「武則天-The Empress-」を推したい。本作は、野望と陰謀が渦巻く後宮に入宮した少女・武如意(ぶ・にょい/後の武則天)が、唐の第2代皇帝・李世民(り・せいみん)の寵愛を受け、天下へ君臨する姿を追った歴史エンターテインメントだ。
武則天を演じる中国トップ女優のファン・ビンビン、李世民を演じる「レッドクリフ」のチャン・フォンイー、生涯をかけて武則天を愛し抜いた第3代皇帝・李治(りち)を演じる絶対的イケメン俳優のアーリフ・リーら、中国を代表する人気俳優を多数起用。テレビドラマでありながら総製作費56億円というド級スケールで制作された本作は、2014年、中国時代劇ドラマの歴代視聴率1位に輝いた。
本作は女性の目を奪うドラマでもあり、時代感を再現する色とりどりの衣装や煌びやかな装飾品、豪華な宮廷セットはため息がこぼれる美しさ。一方で、後宮で権力争いを繰り広げる女性たちのしたたかさ、毒気に満ちた言葉と表情など、昼ドラも真っ青のドロドロした人間模様からも目が離せない。その中にあって、勇気と聡明さ、美貌を武器にのし上がっていく武如意の姿はまぶしくもたくましい。可憐な少女だった武如意がどのような境遇を経て、西太后、呂后と並ぶ大悪女へと変貌していったのかは物語の大きな見どころになる。
また、多くの場合には子役を使うところを、ファン・ビンビンは天真爛漫な少女時代から80歳を過ぎた晩年まで、武則天を1人で演じ切る。変化の大きい役柄を見事にこなした彼女は俳優としての人気を不動のものとして、放送翌年の2015年、米フォーブス誌の中国有名人ランキングで1位を獲得。現在も多数の映画、テレビドラマに出演するなど、その輝きは衰えを見せていない。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)