ーー今回、お二人とも役柄と実際の年齢が同じですが、それぞれの役柄をどう解釈しましたか?
森崎:自分と似てる部分はあるのですが、真逆だなと思うことも多かったです。厳は自分が傷ついてきた過去を繰り返したくないから、過剰な自己防衛をしているように感じます。社会の中で生きていくために、自分を守る術として、人とコミュニケーションをあまり取らないように距離を取ってるのかなと。その選択が厳と僕では違っていて。厳は皮肉を言ったりわざと相手を遠ざける言動をしたりしますが、僕は逆に自分が傷つかないように明るく振る舞います。僕は子どもの頃に日本に来て、外国人で言葉もわからなくて、でも笑ってたら、とりあえずみんなと仲良くなれた経験があったので、その癖が身についたんだと思います。厳は逆に、本当の自分を見せるのが怖いからと心を閉ざす。ある意味では強さでもあるのかなと。厳の言動も理解はできたので、そこは自分にあるものを引き出しながら表現しました。あとはおじさん感をどう出すかとかも考えましたが、僕にいただいたお話なので、森崎ウィンが厳をやること自体に面白さを感じていただけているのだろうなと。そこを求められてるような気がしたので、 原作ももちろん大事ですが、自分とリンクさせながら、僕だからできる厳にしました。
本田:“元気で明るい”が雫を表すのに最適な言葉だと思うのですが、私はその言葉だけではまとめたくなくて…。雫のイメージをいろんな言葉を使って表現してきたけど、 さっきウィンさんが「薄っぺらい」って言ってくれたのが刺さって、そこに引っかかってたんだなと気付きました。「深みが出た」と言ってくださって、すごくうれしかったです。人間だからいろいろなこともあるだろうし、それでもなぜ元気で明るいというイメージが出来上がったのか、自分なりにその一歩奥みたいなところを表現したつもりです。あと雫というキャラクターには本田望結感がすごくあるなと私は思っています。想像ですが声質や話し方、厳さんに対するツッコミ、笑ってほしいがためのちょっとしたボケだとか…、お芝居していて、自分と重なる部分が結構ありました。一方で、私はしっかり考えて行動するタイプだけど、雫は直感型でやってみようと思ったらすぐに行動できるので、そういうところは違うなと思います。
ーー先ほど、森崎さんは元々キャンプが好きだと言っていましたが、本田さんはキャンプ経験は?
本田:私はプライベートでキャンプをしたことはないです。
ーーでは、キャンプ経験という部分でも役柄とお二人は一致しているのですね。
森崎:そうなんです。僕はキャンプを3年ぐらい前から始めたのですが、僕もソロキャンプが好きで。ただ厳とは違って僕は車で行くので、またちょっとスタイルが異なるんですけどね。たとえば、キャンプ道具に関しては、厳は移動手段が公共交通機関だからこそ小ささや軽さを重視しているのですが、僕はそこはあまり重視していません。
ーー本作にはキャンプに関する知識もたくさん登場しますが、経験者の森崎さんが最も勉強になったものは?
森崎:キャンパー目線でも学べることがたくさんありました。特に、焚き火の可否などのルールやマナーについて。あと自然に対するダメージを減らそうという“ローインパクト”っていう考え方とかも説明してくれているので、すごく勉強になることが多かったです。はじめは見よう見真似でいろんな方のキャンプスタイルを真似してみたり、YouTubeを見て勉強してみたりしていたのですが、 今ではある程度のスタイルが固まっているので、キャンプの技術を改めて勉強する機会ってほとんどなくて。だから、このドラマを通して参考書を手にしたみたいな感覚になりました。
ーー実際にキャンプ初心者である本田さんは、この撮影を通してキャンプに興味を持ちましたか?
本田:元々キャンプに全く興味がないわけではなかったので、より興味を持ちましたし、キャンプが好きという気持ちが増しました。ドラマの撮影でキャンプの知識もちょっとはついたので、キャンパーとして成長できたのかなって思います。キャンプの非日常な感じが楽しいですし、そこが魅力的ですよね。でも、この発言もすごく初心者っぽい気がします(笑)。
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