現在公開されている「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」より、新場面写真と原作者・尼子騒兵衛氏からのコメントが公開された。
朝日小学生新聞で1986年より連載を開始した尼子氏による「落第忍者乱太郎」を1993年にテレビアニメ化した人気シリーズ「忍たま乱太郎」。本作は、「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」を映像化し、普段の「忍たま」とはひと味違ったシリアスな展開を描く。
監督は初代キャラクターデザインを務め、前作「劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段」(2011年)でもメガホンをとった藤森雅也。脚本は「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」の著者であり、テレビシリーズも手掛けてきた阪口和久が務める。
また、テレビシリーズに引き続き、制作をアニメーション亜細亜堂が担当し、声優として高山みなみ(乱太郎役)、田中真弓(きり丸役)、一龍斎貞友(しんべヱ役)、関俊彦(土井半助役)らが出演する。
このたび公開された新場面写真は、消息を絶った土井先生をめぐり、“乱きりしん”こと乱太郎、きり丸、しんべヱ、そして六年生が見せる、不安や怒り、真剣な表情などテレビアニメでは見られない様子を切り取ったもの。さらに、本作で初めて描かれた幼いきり丸の姿、そして劇中で披露されるドクタケ忍者隊のミュージカルシーンを収めた新場面写真も公開された。
さらに、これまでの「忍たま」の中で最もシリアスな作品と言われている本作について、完成した作品を鑑賞した原作者の尼子氏からコメントが到着。原作・アニメでも描かれたことのない幼少期のきり丸、そして土井先生との絆についてや、“乱きりしん”の友情についても語っている。
しんしんと雪が降る中でむしろにくるまって小さくなっている、原作にもテレビアニメにも出てこない幼いきり丸のカット。本当に一瞬ですけれども、あのシーンを見た時「ああそうだよなあ」と。戦災孤児で忍術学園の学費を自分で稼いでいるきり丸の幼い頃は、私が描いたことのないきり丸でしたが、あれがあの時代の戦災孤児の姿だと思います。そんな天涯孤独だったきり丸に、帰る場所をくれた人っていうのが、土井なんですよね。
今回の映画で、親であり、兄であり、先生でもある土井との関係を、藤森監督はさらっと大切に描いてくださったなと思います。土井ときり丸が、黙っていてもお互いを大事にしていることが、細かい演出の節々から伝わってきました。それだけきり丸にとって大きな存在である土井の安否が分からず、誰にも言えず、一人で不安を抱えるきり丸の異変に、乱太郎としんべヱはすぐ気が付くんですよね。誰かが失敗したり、うまくいかなかったり、落ち込んだり、そんな時にみんなで「じゃあどうしよう?」 って一緒に考えるのが「忍たま」なんです。“乱きりしん”はそれぞれ違う境遇ですけれども、お互いを同情しないし、馬鹿にしたりもしない、お互いに愛情をもっている友達です。じゃあなんで3人が友達なのかっていうと、たまたま忍術学園の入学金を支払った時に一緒にいたからなんです(笑)。でも、友達の始まりって普通そんなものですよね。