普段はほぼ話さない斉木ですが、何を軸に演じていたんですか?
「他人の心の声が全て聞こえるので、凄い角度の上から目線というか。表情ではどこまでも客観的な目を意識していました」
そんな無表情の斉木の周りにいるのは、面白いキャラばかりです。本番で笑ってしまうこともあったと思いますが、どのキャラが一番笑いを堪えるのが大変でしたか?
「全員。全員のパンチ力がヤバ過ぎます。しかも、みんな斉木に対する距離感が近いんです。窪谷須(賀来賢人)は斉木の顔に触れるまで近づくシーンがあったので、我慢出来ずに吹いちゃってNGを4回ぐらい出しました(笑)」
ちなみに、山崎さん自身が友達になれそうなキャラクターはいますか?
「友達ですか……。燃堂(新井浩文)は普通に仲良くなれそうですけどね。ただバカなだけで、めっちゃいいヤツだし。海藤(吉沢亮)が普通にいたら、どうなるのかわからないです。僕が“何やってんの? それ、漫画? アニメ?”と聞いたら、海藤はどう返してくるのかなあ。“お前にはわからない”と言われたら、“え、何言ってんの? 何言ってんの?”って詰め寄って……、どうなるかわからないです。わからないから友達になるかどうかもわからないです(笑)。窪谷須は危険人物ですからねえ。灰呂(笠原秀幸)は仲良くなれそうな気もしますけど、熱さはこんなにいらないかなと思います。結局、燃堂と一緒にいるのかな」
そんな初めての福田組を経験した感想を教えて下さい。
「とにかく自由で、笑いの絶えない現場でした。しかも、本番は1回しか撮らないんですよね。ほとんど一発OKで、ちょっと(セリフを)噛んでもそれ込みで笑いになるんです。現場で起きたことがそのまま作品の中で生きるというか。例えば、蝶野雨緑(ムロツヨシ)のマジックを見ている斉木は、無表情のはずなんですけど、ちょっと笑ってます。よーく見ると、少しだけ口角が上がりかけてます。福田組は、そういうことも楽しんで作品に詰め込んでしまう現場でしたね」
この作品を経て、役者としてステップアップした感触はありますか?
「凝り固まっていた頭がやわらかくなったと思います。お芝居という観客に見せるモノづくりをする上での柔軟性が出て来たというか。やっぱり笑えるって最高だなと思いました。その面白さは完成した『斉木楠雄のΨ難』を観ることでも遊園地のアトラクションを楽しむように味わえるはずです」
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