早見和真の同名小説を映画化した「ポンチョに夜明けの風はらませて」が10月28日(土)に公開される。高校卒業を間近に控えた親友3人組の行くあてのない高校最後の旅を描いた青春ロードムービーで、若手実力派の太賀、中村蒼、矢本悠馬が共演。高校生3人のハチャメチャ青春旅を熱演した3人にインタビューした。
太賀「僕は脚本を読んだときに、登場人物たちの濃さにひかれました。高校卒業前の数日、大人になる前のモラトリアムみたいな時間の中で、個性の強い3人が転がるように進んでいく珍道中が楽しく、(自身が演じた)又八のあすを顧みないパワフルさも面白いと思ったので、ぜひこの役を演じてみたいと思いました」
矢本「僕も脚本を読んでワクワクしました。この年齢の男が集まると完全燃焼系の映画が多いんですけど、これは全くの不完全燃焼な脚本で(笑)。でも、自分も学生時代に果てしなく目的のない青春映画を見ていたので、若いうちにこういう作品をやれるのはうれしかったです」
中村「脚本をいただいたときに既に一緒にやるのが太賀君と矢本ちゃんだと分かっていたので、それを想像しながら脚本を読みました。この2人と一緒なら絶対に楽しくなるだろうなと思っていました」
人情深く、お調子者の又八(太賀)、悲観的でクールなジン(中村)、心優しくマイペースなジャンボ(矢本)。将来に希望を見いだせずにいる彼らの旅は、どう転ぶか分からないハチャメチャなもの。それを演じる3人のテンションの高い演技も見どころ。
太賀「テンションを維持するのは大変でした。初日に受験結果を見に行ったジンを迎えに行くシーンを撮ったんですが、その時点でテンションを間違えたなと思いました(笑)」
矢本「声をからしまくってたよね(笑)。でも、太賀があそこまではじけてくれたおかげで、逆に僕らはやりやすくなった気がします。特にジャンボは受け身の役だったので、リアクションしやすくて良かったです」
中村「ジンとしても大学受験に失敗したところからスタートするので、又八やジャンボの明るさや優しさに支えられていた気がします。2人がいてくれたおかげで、この旅の途中だけは嫌なことを忘れられたんじゃないかと。多分3人で旅をするのはこれが最後だと分かりながら、楽しんでいたんじゃないかと思います」 仲間と一緒にいるだけで楽しいというのが伝わってくる彼らの青春。自分の高校時代と比べてみると?
太賀「僕自身は学生ではあったけど、既に仕事をしていたので、半分社会人のような感じでした。なので、どうしても大人にならざるを得なかったんですが、大人になることに縛られ過ぎていたのかなとも思うので、又八たちの青春がうらやましいです。でも、それをこの映画で追体験できたので、すごく楽しかったです」
中村「僕も高校2年から仕事を始めていたので、きっと普通の高校生と比べたら、心の底からは楽しめてなかったのかなと。又八たちのようにここまでハチャメチャなのはどうかと思いますけど(笑)、僕も青春を追体験できて良かったです」
矢本「僕は2人と違って高校時代に仕事はしてなかったので、今できる限りのむちゃくちゃをやり尽くそうと思っていて、かなり無敵でしたね(笑)。いろいろ怒られたりもしたけど、いい青春時代を過ごせたと思います」
青春の楽しさや切なさが伝わってくる本作。見ているうちに、自分の青春時代を思い出す人も多いはず。
太賀「この映画は若い人だけじゃなく、いろんな世代の人に見てほしいです。青春というのははかないものですし、それぞれの青春があると思いますが、こんな青春もあるんだなと思ってもらえたらうれしいです」
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