スマッシュルームズ&SR新作はバイオリン生演奏付き

2017/11/01 21:49 配信

芸能一般

「この舞台を通して得たたくさんの事、感じた事を、今後の音楽活動にも生かして行きたいと思っています!」と語るバイオリニストのARIA

世の中の悲しい現実を笑いに変える毒のある作風で、時間や場所を軽々と飛び越える脚本を、映像的に表現することに長けている脚本・演出家の中山純平。中山が主催する劇団スマッシュルームズ&SRの最新作「亡骸バスツアー」が下北沢にて開幕した。

物語の主人公・進はバンドのベース担当。2日前に死亡して魂としてこの世に存在しており、自分が死んだことをまだ理解できていない。進の葬式後、彼にかかわりのある人物が思い出の地を巡るというバスツアーのもようを描く。「死」をテーマにした作品に対する思いを中山に語ってもらった。

「今回の作品で『死』をとりあげたのは、お焼香して、お寿司食べて、ビール飲んで…みたいな、現在のお葬式のスタイルに意味があるのだろうか、と疑問を持ったことがきっかけです。生前葬や偲ぶ会のような何か具体的に参考にしたものはありませんが、葬儀場から火葬場までバス移動をされたことがある方も多くいらっしゃると思います。あの、知らない人と一緒に乗る気まずい時間をツアーにしてみました。しかも棺桶も一緒にバスに載っています」と視点が新しい。

作品には進の妻、バンドメンバー、ファン、闇金業者、バスガイドなどさまざまな人物が登場。さらに、小劇場では珍しく、バイオリンの生演奏が入る。

「キャスティングにかんしては、全体のバランスを意識しました。今回の作品は群像劇ですので、全員にスポットが当たるようになっています。人と人との思わぬ繋がりの奇跡に注目してほしいです。自分が演出する舞台で生演奏は初めてです。やはり生の音に勝るものはありません。バイオリニストのARIAさんはとても気さくな方で、好奇心旺盛で。今回は少しだけセリフもしゃべってもらいますが、脚本に深い理解を示してくださいました。劇場で聞いていただければ、その迫力に圧倒されること間違いありません!」。

今回、音楽以外のステージに初出演するARIAは「台本を読んで、『とにかくとても面白い』と思いました! 私の中での『死』にまつわる印象や、考え方を変えてくれた作品、『死』をさまざまな角度から新しい視点でとらえる事ができるこの作品に、ぜひ、関わりたいと思い、今回の出演を決めました。

初めてのセリフにはとても緊張しますし、いつもとは違うステージでの演奏は私にとって挑戦ですが、とても新鮮で、俳優の皆さんからたくさんの刺激をいただいて楽しんでいます」と意気込みも十分。

上演時間は約100分。「とんでもないことがいくつも巻き起こりますが、すべてが絵空事ということではなくて。見終わった時にお客様一人一人の真実がきっと見つかるはずです」と中山がアピールする舞台は11月7日(火)まで上演中だ。

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