BEAT SOLDIERのメンバーとしてバトルシーンで活躍し、現在はBixBiteで自分たちのかっこいいHIPHOPを追求しているTATSUKI。ダンサー以外にもDJや自身のファッションブランド・GAMEでTシャツを含めたファッションアイテムをデザインするなど、才能を生かしたマルチプレーヤーとして活躍しているダンサーだ。そんなTATSUKIにダンサーとしての今までをインタビュー!
――ダンスを始めたキッカケを教えてください。
「5歳の時にスポーツクラブにあるスイミングに通っていたんですけど、そこでダンスレッスンもやっていたんです。ずっとそれをみていたらしくて、親が「そんなに興味あるならやってみれば」って言ってくれたのがキッカケですね」
――憧れのダンサーにYASSさんと書いてありましたが、師匠もYASSさんですか?
「最初にスポーツクラブで習っていた先生に5歳から中学3年生まで習ってました。中1くらいでBEAT SOLDIERに入ってから、どんどん外の世界に出るようになったんですけど、その時に俺の中でダンスを変えてくれたのがYASSさんだったので、師匠はYASSさんですね」
――YASSさんに会う前と後でダンスは変わった?
「スポーツクラブの先生はベーシックをちゃんと教えてくれる方だったので、バトル向けというよりはダンス力という感じでした。だからバトルも勝てなくて、YASSさんに会ってからテクニックとか教えてもらいましたね。BEAT SOLDIERはバトラーの集まりだったので、そういう意味でも外の世界を見てみたいなって思ってたんです。そしたら先生の方から「もうTATSUKIに教えることはないから、YASSさんのところに行っておいで」って言ってくれて。ずっとお世話になっていたので自分から言えなかったんですよ。でも、そこを察してくれたのが本当に優しい方だなって思いました」
――今は新しいチーム・BixBiteで活動していますが、どういうチームですか?
「HIPHOPに専念したくて、同世代で一緒にできるダンサーを探してたんですよ。その時にU-KIとTAKUYAに自分から声をかけました。二人とも尊敬しているダンサーですし、バトルでも戦ってきたので「本気でやりたいから一緒にチーム組んでください」ってお願いしました。そしたら二人とも「そう言ってくれるのを待ってた」って言ってくれましたね」
――なるほど、アンダーグランドなかっこよさを持ったダンスをやりたかったって感じですか?
「そうですね。コンテストに挑戦するために組んだチームです。まだ一回しか出てないですけど(笑)。DELIGHTを目標にしてます。個性が集まって、かっこよさだけで勝つっていうのがやりたくて。なので、勝つためのダンスとかネタじゃなくて、自分たちのやりたいことをやる形でやってます」
――今までで印象に残っているバトルはありますか?
「悪い意味で印象に残っているバトルなんですけど、中3の時に挑んだ“DANCE@LIVE 2014 KIDS 関東 CLIMAX”です。俺、KIDS最後の挑戦だったんでこれに懸けてたんですよ。それこそ受験勉強もしないで、学校の先生に「今の学力で受験勉強しないで入れる高校はありますか? できれば自転車で通える近いところで」って相談するくらい(笑)、ダンスに全てを注いでました。この大会は優勝者が5万ポイントもらえるという一発逆転ができる可能性があるんですけど、俺はその時1万ポイント持ってて、当時ランキング1位だったShigekixも出てて、Shigekixが優勝したらそのまま俺の両国国技館行きはほぼ決定的だったんですね。でも、ベスト8で負けちゃって、ポイント持ってなかったルイス(BEAT SOLDIER)が、決勝まで上がって来たんです」
――なるほど。Shigekix君が負けたことで、国技館への切符戦線が熾烈になってしまったんですね。
「俺は順調に勝ち進んで、ベスト4でYUMEKI (Bad Queen)ちゃんと当たることになったんですよ。「これはやばい!」と思ったんですけど(笑)、会場に見にきてくれたLOFDのTOMOKOさんとYASSさんに挨拶をした時に、YASSさんから「自分の得意な曲をフルで踊って、苦手な曲はグダる前に途中で切り上げろ」とアドバイスをもらって、その通りにしたら勝てました」
――前年の“アライブKIDS”チャンピオンを倒したんだからすごいですよね。
「でも、決勝でルイスと戦って3-0で負けてしまいました(下記動画アリ)。ルイス・・・0ポイントだったのに5万ポイントで国技館決まって。俺とKANUが同率でポイントランキング3位だったんですよ。でも同率の場合は、それまでの予選で優勝したことあるダンサーが優先なので、最後の切符をKANUに取られるという。しかも、ベスト8前の練習で足を捻ってしまったんですけど、大会が終わった後に歩けなくなるくらい痛くて病院に行ったら骨折してました。いろいろな意味で印象に残ってる大会です」
――骨折したまま、決勝まで踊りきったのがすごいと思いますよ! 次にダンサーとして大切にしていることはありますか?
「最近は自分と音楽だけに集中して、音楽とマッチする感覚が大事だなって思うようになりました。こういう技をやろうとか、周りの反応とか気にせずに無心で踊ることを探っています。自分の中で一番自然なノリって、いい曲がかかってる時に無意識に自分がノっている時だと思ってて、音楽に対して素直に体が感じように動いてるというのを作り出す。その状態を自分で持っていければ最強だなと思いますね。なので、大切にしているのはバトルで勝てなくても、周りからかっこいいって言われるダンスをすることです。これは自分の生徒にも言っています。俺のレッスンに来てもバトルで勝てるかはわからないけど、ダンスはうまくなるし、カッコよくするから、俺についてきなって」
――10代の同世代のダンサーを見て、TATSUKI君が思うことはありますか?
「なんか、イケイケだなって(笑)。大人のダンサーももちろんかっこいいですけど、一番勢いあるのは俺らの世代だと思います。KAITA(KAITA THE HATABOY)とかKAZ(KAZtheFIRE)は海外でWSしたり、LEOとかバトルで活躍したり。俺は教えるのが好きなので、下の後輩たちを育てたり、こないだはバリ島に行ってWSをしました。みんな各方面で活躍しているからすごいなと思いますね」
――TATSUKI君は忙しそうですけど、普段はどんな生活しているのですか? オフとかあります?
「普段は平日にレッスンと練習と仕事があって、土日はイベントとかがあります。12月半ばまで一日オフの日がないので、休みは欲しいですね。めっちゃ旅行が好きなんですよ! 海外もいいですけど、国内の近場とかでもいいです。秩父とか(笑)」
――TATSUKIくんはDJもやっているけど、始めたのはいつぐらいから?
「チームで練習する時に携帯のDJアプリを使ってたんです。暇な時にいじってたら、アプリ内ではプロ級になって。そこからチーム内でDJのイメージになりました。あとは大空(BEAT SOLDIER)がイベントをやってたりしたので、DJやって欲しいとか頼まれてやり始めたのが2年前くらいですかね」
――最近色々な場所でDJやっているけど、DJをやってみてダンスの見方とか変わりましたか?
「色々なジャンルの曲を必然的に集めて聴くようになったので、音の聴き方は変わりました。あと、知ってる曲が多くなりましたね。チーム内での音変とかも俺がやってます」
――最近好きな音楽やアーティストは?
「普通にHIPHOPも好きですし、POPの曲を聴くのも好きなので集めてます。あんまりアーティストでこれを聴くとかはないですけど、ジェイ・ディラとかア・トライブ・コールド・クエスト好きで聴きますし、R&Bだとミュージック・ソウルチャイルドとかディアンジェロとかですね。ブルーノ・マーズも聴きます」
――自身のブランド・GAMEでTシャツを作っているけど、今後もファッションアイテムを作っていく予定ですか?
「そうですね。一応2ヶ月に一回は出すっていう決まりに勝手にしました(笑)。あと、自分のナンバーの衣装は全部GAMEにしてます。しかも販売してない限定デザインなんですよ。ゆくゆくはパンツとかも作りたいです」
――最後にTATSUKI君の将来の夢を教えてください。
「まず目の前の目標としてはDANCE DELIGHTで入賞したいです。将来的にはダンサーをやってるからには稼げるようになりたい。普通のサラリーマンよりも稼げるようになって、地元にリアルなダンスを教えてくれるスタジオがないので、ダンススタジオを建てたいです。俺はそこの経営をします!!」
――自分は教えないのですか(笑)?
「経営ですね(笑)。実は親が整体、パーソナルトレーナー、救急救命士とかたくさん資格を持っていて、最近もタイ古式マッサージの資格を取ってきたんですけど、整体のお店を出したいと言っているので、一緒にダンスと整体ができる場所を作りたいと話してます。ただ、今やっても説得力がないので、もっとダンサーとして認められるようになってからですね」
――SORA君との対談インタビューでは、ダンスの舞台に出たいと言ってましたよね。
「言ってましたね(笑)。最近”TOKYO TRIBE”の舞台を見に行かせてもらったんですけど、本当にかっこよくて最高でした! あんなかっこいいダンスの舞台なら出たいです。昔、芸能事務所の養成所になぜかいたことがあって、歌・ダンスのレッスンとかあったんですけど、そういうのじゃなくて、自分の思うかっこいいダンスでステージに立ちたいです」
撮影●関純一 取材・文●のざたつ
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