北野武最新映画はヤクザをベースにしたコメディー!?

2010/02/15 21:56 配信

映画 芸能一般

映画「アウトレイジ」の完成報告会に出席した塚本高史、杉本哲太、國村隼、北村総一朗、三浦友和、北野武、椎名桔平、加瀬亮、小日向文世、石橋蓮司、中野英雄(写真左から)

6月12日(土)から公開される北野武監督最新作の映画「アウトレイジ」の完成報告会が8日、都内で行われ、出演者の椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗と、出演・脚本・編集も務めた北野監督が舞台あいさつを行った。

本作は、北野監督が映画「座頭市」('03年)以来7年ぶりに挑んだバイオレンス・アクション。金と権力をめぐるヤクザ社会の抗争劇が描かれる。

北野監督演じる大友組長率いる、大友組の組員・石原役の加瀬は「撮影のスピードが速い上に、監督がその場でいろんなアイデアを思い付いていくので、付いていくのがやっとでした。完成した映画を拝見したんですが、僕が読んだ台本からできた映画とは思えず、予想外の展開ばかり。自分の役も思っていた以上に多面的になっていて面白かったです」と初めて参加した北野作品に多くの刺激を受けた様子。

同じく大友組の若頭・水野役の椎名も「撮影方法が独特で大胆。完成したものを見たら、痛いんですけど面白い。2時間ずっと高名な先生に足裏をマッサージしてもらっているような気持ちいい映画です」と作品の魅力を語った。

大友組の上部組織で、関東最大の暴力団の若頭・加藤役の三浦は「北野組というだけで役柄も聞かずに出演を承諾した人がたくさんいるそうですが、わたしもその1人です。いろんな俳優さんがから“どんな映画なの?”と聞かれて“みんなヤクザで、僕の親分が北村さんです”と答えたら“あ、ヤクザをベースにしたコメディーなんだ”と言われました」と明かし、会場を沸かせた。

本作のキャスティングに関して北野監督は「“たまには1回も組んだことのない役者さんとやってくれませんか?”と言われて、候補の中からわたしがイエスと言った人だけ集まっていただきました。僕はもともと撮影は早いんですが、それ以上に早く撮れたのは、リハーサルから皆さんほとんど問題がなく、駄目出しせずに撮れたからです」とキャスト陣を絶賛した。

さらに、北野監督は「この映画は笑わせる気は全然ないんですけど、人間てのは不思議なもんであまりに暴力的なものを見ると、極限状態で笑うしかないという感じになるんですね。皆さんも見ていて笑ってしまうところがあるかもしれませんが、よく考えればひどいシーンだと思います。人間の追い込まれた状況がうまく出たなと思います。久々にエンターテインメント映画ができたので、楽しんでください」と作品の見どころをアピールしていた。