本作では、中条がボーカル、志尊がギター、磯村がドラム、杉野がベースを猛特訓し、劇中で迫力のセッションを披露。
モモ役の小関こそ、ギター、ピアノ、ハーモニカ、サックスや三線など、これまでさまざまな音楽に触れてきて、もともと音楽に造詣の深い人物だが、バンド役のメインキャストはそれぞれほぼ音楽初心者だ。
しかし、彼らも血のにじむような努力できっちりトレーニングを積み、劇中に登場する覆面バンド「in NO hurry to shout;」(通称:イノハリ)としてメジャーデビューも果たしている。
さらに、デビュー曲にして本作の重要なシーンで演奏される楽曲「Close to me」は、人気ロックバンド・MAN WITH A MISSIONが書き下ろし提供作品。
中条のパワフルで透明感あふれる歌声と、男性陣の粗削りながらパワフルな演奏と相まって、見るものの心を揺さぶる珠玉の一曲に仕上がっている。
そしてエンディングテーマには、そんなMAN WITH A MISSIONの新曲「Find You」が採用。彼らも、「作中ノ『ニノ』ヤ『モモ』ヤ『ユズ』ハオ互イヲ『見ツケル』タメニ或イハ『見ツカル』タメニモガク、刻ム、削ル、生キル。『Find You』ハ彼ラノ心情ヤソノ姿ヲ自分ナリニ解釈シテ書カセテイタダイタ曲デス」と、楽曲へのこだわりを語っている。
10代・20代に圧倒的な支持を受けるマンウィズが作り上げたこのエンドソング。高校生たちの輝かしい青春ドラマの余韻に浸らせてくれる一曲として、要チェックだ。
志尊も初日舞台あいさつで「この映画は、登場人物全員が強い信念を持って思い続けることが、成長につながり、自分の道になっていく姿を感じ取れる作品。
見た人にとって、『恋愛したい』『楽器をやってみたい』など何かのきっかけになったらうれしい」と語っていたが、旬な若手俳優たちが繰り広げる恋と友情、そしてそれらを盛り上げる音楽によって、他の青春ムービーとは一線を画す物語に仕上がっている。
めっきり寒くなり、もう間もなく師走を迎える日本列島はこれからますます冷え込みが厳しくなるが、本作はそんな時に見るにはピッタリの「ホットな」映画であり、見終わった後、どこか「ホッと」するような、温かい気持ちがあふれてくる。
そして彼らの音楽は、片思いをしている人の背中をそっと押してくれるはずだ。
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