押切もえが太宰治に警戒!?「計算高い男性には気を付けます」

2010/02/22 22:50 配信

映画 芸能一般

映画「人間失格」の公開記念イベントに出席した押切もえ、木村綾子、倉田真由美氏、香山リカ氏(写真左から)

映画「人間失格」の公開を記念し、16日、「人間失格サミット」と題したイベントが都内で行われ、荒戸源次郎監督と企画協力の羽仁未央氏、製作総指揮を務めた角川歴彦氏、作家・ねじめ正一氏、精神科医・香山リカ氏、明治大学文学部講師・伊藤氏貴氏、漫画家・倉田真由美氏、押切もえ木村綾子が出席した。

本作は、太宰治の同名小説を生田斗真主演で映画化したもの。このイベントでは「太宰はどれだけだめんずですか?」をテーマに出席者がトークショーを行った。

押切は「太宰そのものかは分かりませんが、太宰が自身をモデルにしたといわれる葉蔵の行動には首をかしげてしまう。フラフラし過ぎだし、ここで立ち直ってほしかったと思う場面がいくつもある」と破滅的な人生をたどった作品の主人公への感想を語った。

伊藤氏は「太宰自身が妊娠した恋人と別れたくてほかの女性の家に上がり込んだりしていた。本当にひどいんですよ。心中未遂はいつも同じ薬を使い、毎回、致死量までは飲んでいなかったし、それどころか脅す手段に使っていたりして、計算高い人物だった可能性があります。一方では手紙の達人で、女性にあてたラブレターは素晴らしく出来がいい。女性への優しさを持っていた反面、『ここから先は入ってくるな』という境界がはっきりしていたのでしょう」と具体的なエピソードを交えて太宰像を紹介した。

香山氏は「太宰の二面性は“境界性パーソナリティー障害”や“カメレオン人格”に近いのでは」とし、「“普通”や“まあまあ”と言われるのが嫌で、だったら“最低”の方がいい。訳の分からない衝動で破滅してしまう、そういうとてつもない負のパワーや成熟することへの拒否が人々を引きつけるのでは」と太宰人気を分析した。

木村は「女性としては理不尽さを乗り越えてどれだけ“聖母”に成り切れるかを試されているような気がします」と主人公への理解を見せた。

漫画「だめんずうぉーかー」の作者・倉田氏は「女性は、感受性のひだが細かい男性に引かれることが多いようですが、そういう男性はすべての女性に感受性豊か。太宰のような男性は娘には絶対に選んでほしくないタイプです」と太宰を一刀両断した。

ねじめ氏は「『人間失格』は衰弱感が表れているようなたどたどしい文体で、当時としては実験的なことをしていたと思う」と作家としての観点から太宰を評価した。

締めくくりに押切は「たくさんの面白いお話が聞けてよかった。これからも太宰治の作品を楽しんでいきたい。でも計算高い男性には気を付けます」と語り、会場を沸かせていた。