15歳でありながら数多くのブレイクダンス世界大会で実績を残しているShigekix。世界ブレイクダンス4大大会に数えられる"Red Bull BC One World Final 2017"では初出場でベスト4まで進み、世界にその名を知らしめているB-BOYだ。そんなShigekixにバトルのエピソードや興味のあること、2018年に開催されるブエノスアイレスユースオリンピックの意気込みなどをインタビュー!10代とは思えないしっかりした考えとインタビューの受け答えに、プロ意識の高さを感じさせた。今回は動画と合わせてインタビューを公開。
ーーこれまで戦ってきたバトルの中で手応えのあったバトルを教えてください。
「2つあって、1つ目は自分にとって初の世界大会出場になる、フランスで開催された"Chelles Battle Pro 2014"です。キッズ部門(Baby Battle 1on1)の決勝で、当時世界トップレベルと呼ばれてたアメリカのLil'Demon(リル・デーモン)と決勝で対決しました。僕も彼もゲストで出場していので決勝まで行けば戦えると思ってたんですけど、そこで勝つことができて、その時のバトルが自分的に手応えがあって印象的なバトルでしたね。もうひとつは、最近なんですけど"Red Bull BC One World Final 2017"です。初出場で初戦と2回戦勝つことができて、ベスト4まで行けたんですけど、特に1回戦、2回戦は自分的にいいムーブが出せて、いいバトルができたなって手応えがありました。そういうムーブって大きい大会で出すのは難しいんですけど、その時はリラックスして、ベストな状態でバトルができましたね」
ーーベスト4では優勝したMennoと戦いましたが、その時の印象はありますか?
「世界トップレベルのB-BOYという目線で見ているので、正直にすごいなと思いました。戦ってる最中もさすがだなっていう場面もたくさんありましたね。でも、自分がナーバスになるというか、弱気になることはなかったです。逆に自分から行って、世界トップレベルのB-BOYにどこまで食らいつけるのか試すいい機会だと思いながら、楽しんでやりました」
ーー今ままで一番悔しかったバトルは?
「2016年の"DANCE ALIVE HERO'S 2017"のキッズ部門決勝で負けたバトルが、今までのダンス人生で一番悔しかったです。相手に負けた悔しさもありますけど、自分の中でもうちょいこうしたかったという、課題というか反省がいつも以上に多かったですね。結果も踊りも自分の中で納得いかなかったというか、もっとできたなっていう部分もあって悔しかったです」
ーーShigekix君は出場したバトルに対して楽しかったと感想を言っているイメージがあるのですが、今までで楽しかったバトルはありますか?
「優勝したり結果を残せてる時は少なくとも自分が楽しんでいいムーブが出来た時だと思うので、そういう大会やバトルは楽しかったなって思います。最近だと"Red Bull BC One World Final 2017"も楽しかったですね。歓声とかも格別に違いますし、踊ってて楽しかったです」
ーーこれまで「こいつはスゴイ!」って思ったB-BOYはいますか?
「やっぱりB-BOY ISSEIかな。彼も日本のB-BOYですし、年齢も4歳くらいしか離れてないので、感覚的に近く感じてます。でも、誰よりもすごいと思いますし、リスペクトしてますね」
ーーもしB-BOYじゃなかったらどのダンスをやりたかったですか?
「大会には出てなかったんですけど、B-BOYをやる前は他ジャンルをやっていたんですよ。どれもやってみたいんですけど、個人的にHOUSEがいいですね。踊っててすごく楽しそうだし、ステップの技術的な部分を見るのも楽しいので、いいなぁって思います」
ーー個人的に一番好きな技を教えてください。
「ベーシックな名前がついているような技ではないんですけど、自分の中で最近気に入っているのは、Aトラックスから途中で一点になる状態があって、その時に自分の両手で両足の足先をタッチして、そこからチェアートラックスに繋げるっていうのが好きです。気合を入れないと成功しない技なので、自分でやってても面白いですし、絶対できるものだけやるより、ちょっとリスキーなことを本番で音楽に合わせながらやる方が楽しいですね」(下記動画でチェック!)
ーー海外に行く機会が多いですが、どんな刺激を一番受けますか?
「大会でいうと歓声のレベルが違いますね。日本でも大きい大会はすごく歓声が多いですけど、観客ひとりから出る声の量は海外の方がレベルが上だなと感じます。海外は楽しいとかすごいと思ったら声を出すって習慣があるので、踊ってる時の歓声とか盛り上がりが全然違うなって思いますね」
ーーSNSで自作の絵を載せたり、カメラにも興味があるのかなと思ったのですが、ブレイクダンス以外で興味のあるものとかありますか?
「絵を描くこと、音楽を聴くこと、写真を撮ること、映像を軽く作って編集したりも好きですし、あとは外国語習得ですね」
ーー音楽は何を聴いてますか?
「音楽は幅広く聴きます。自分の父親がバンドをやってたり、母親が音楽をめっちゃ聴いていてので、身の回りにたくさん音楽が溢れてました。僕が知る前にエミネムとかスヌープ・ドックとかのCDもありましたし、ロックも聴いてましたね。基本的にこれという決まりはなく、色々聴いてます」
ーー以前DanceFactでカリスマカンタローさんにインタビューをした時、10代ダンサーでスターになるダンサーは誰ですかと聞いたらShigekix君の名前が出ました。たくさんの方に期待をかけられることが多くなったと思いますが、プレッシャーとか感じますか?
「プレッシャーは感じないですね。応援してもらえることはありがたいことですし、僕の活動や大会とかをチェックしてもらえることが増えるているのはすごい嬉しいです。頑張る時の心の支えになります」
ーー今まで声をかけてもらった言葉で印象的だった言葉はありますか?
「色々な方に大会前に応援メッセージ頂いて、いつも支えられながら挑んでるなって思います。応援がなかったら結果も変わっていたのかなって思うことも多いですね。最近、印象的だった言葉は外国のファンの方がコメント欄に「It's time to make history」って書いてくれたことです。大会前って色々考えちゃうんですよ。考えすぎが深いところまでいって暗くなってしまう時があるんですけど、言葉って気持ちと違って動かないじゃないですか。迷ってる時にその言葉「歴史を作る時だ」っていうのを思い出すと、やるしかないなって気持ちにしてくれます」
ーー日本の中で、気になる10代ダンサーはいますか?
「いっぱいいますね(笑)。この人っていうのは難しいんですけど、DanceFactの10代ダンサーたちは間違いないダンサーです」
ーー海外で気になる同世代のB-BOYはいますか?
「ユースオリンピックでいうと、オランダのJUSTENやロシアのBumblebeeは、若いB-BOYとして活躍しているので、自分的に要チェックかなと思います」
ーーブエノスアイレスユースオリンピックに向けて一言お願いします。
「ユースオリンピックというひとつのタイトルを全力で挑んで手にしたいと思ってます。色々な人が応援してくださって、僕が金メダルを持って帰ることを期待してくれる方がたくさんいることがすごく嬉しいので、実現できるように頑張りたいです」
(撮影●AYATO. 取材・文●のざたつ)
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