虫になった森山未來を穂のかが「キモい!」と一刀両断

2010/03/08 23:14 配信

芸能一般

舞台「変身」に出演する、左から穂のか、森山未來、永島敏行

フランツ・カフカの小説を原作にした舞台「変身」が3月6日から公演中。初日前日の5日、都内で公演の一部を公開するフォトコールが行われ、その後、出演する森山未來、穂のか、永島敏行、演出家のスティーブン・バーコフ氏が会見を行った。

同作は、'69年に俳優、劇作家、演出家として活躍する鬼才、バーコフ氏が自ら脚本・演出・主演をこなし、その後、イギリスやアメリカなど世界で現地の俳優を主演に起用して上演されてきた名作。日本では'92年、バーコフ氏の演出により劇作家の宮本亜門氏が主演して以来18年ぶりの上演となり、話題を集めている。ストーリーは、ある日突然虫になってしまった青年をめぐる家族の物語。経済的に一家を支える外交販売員のグレゴール・ザムザ(森山)は、朝目覚めると、自分が虫になっていることに気付く。家族は彼を嫌うようになり、グレゴールは苦しむ。

不条理なストーリーを表すように、白塗りのメークを施されたキャスト陣。虫という難役に挑む森山は、「バーコフ、カフカの世界を理解するのに必死で、怒涛の稽古場でした。日本にない演劇のスタイルなので、すごく頭と体を使っています。…主に体かな(笑)」と、過酷な稽古を振り返った。ストーリーについては、「家族のためにやってきたことを、“やめたっ!”って部屋に閉じこもる感覚を、虫としてデフォルメしたのだと思います」と解説し、「この作品には普遍性があって、現代に通じるメッセージ性もあると思うので、いろんな世代に見てほしいですね」とアピール。その後、報道陣から、昨年、写真週刊誌で熱愛が報じられた浅見れいなも公演を見に訪れるか尋ねられるも「うわさになってるんですか? 知りませんでした」とクールに返した。

舞台初挑戦となる穂のかは、「何が分からないのかも分からない感じで、勉強の毎日です」と緊張気味。グレゴールを慕い、当初献身的に彼を支える妹・グレタを演じるが、虫になった森山について「(役としては)大好きなお兄ちゃんだけど、自分は虫が嫌いなんで“キモい”って思ってます(笑)」と言い切り、笑いを誘った。一方、永島は「グレゴールが虫になった原因は親にもある。いま、親子関係にいろいろ問題もありますし、ぜひ親子で見てほしいですね。ある意味ですさまじいファミリードラマです(笑)」とPRした。

18年ぶりに日本で演出を手掛けるバーコフ氏は、森山について「いい役者だと思います。さまざまな能力も持っていますし、人を引き付けるカリスマ性があると思います」と絶賛。そして、「グレゴールが虫に変わった時、家族は彼を忌み嫌う存在ととらえ、不安などを感じます。そんな否定的な感情を経て、ようやく彼に同情し、共感するようになります。そういった彼らの変ぼうがもう一つの“変身”だと思います」と見どころを語った。