永井大が1児の子供を持つ家族思いの父親を熱演しており、実際に2017年5月に男の子が誕生し、本当の父親になった永井と内藤瑛亮監督が対談を行った。
――今回、役の話が来た時に率直にどう思われましたか?
永井:一番最初に台本を読んだときに頭に浮かんだのは「笑ゥせぇるすまん」。良いことと悪いことのラインがすごく見えやすいドラマで、人生って一歩間違えたらこうなってしまうんだろうなとか、そういうことを考えさせられた内容でした。
監督から今回の役どころは良いパパと聞かされましたが、子供の医療費を稼ぐためにギャンブルに走ってしまったり、いわゆる理想の良いパパっていうわけでもないと思うんです。ごく普通の家庭の父親が家族には見せない一面を持っていたという事を伝えられたらと思って演じました。
あと、最近の撮影では血のりはあまり使わないことが多いんですが、この作品ではこれまで経験したり見た事がないくらいの大量の血のりが使われていました。「あっ、この作品はこういう感じなんだ」というのが初日に分かりました(笑)。
監督が「(血を)もうちょっと増やそう、もうちょっと増やそう」ってどのくらい増やすのかなって。まぁト書きには“血の海”って書いてありましたけど(笑)。
内藤:忠実にね(笑)。
――監督は現場での雰囲気を感じて作り上げていくスタイルですか?
内藤:そうですね。僕からの意見はもちろんあるけど、永井さんからも「ここはこうしたらどうですか?」っていう意見ももらって。
例えば、競馬をやり切ったあとに袋をクシャクシャにするっていう場面があったんですけど、最初のイメージはいくらクシャクシャにしてもいいように何個も袋を用意していたんですが、永井さんからは「もうそこまでする力はないんじゃないか?」っていう考え方を伝えてもらって。力なくクシャクシャってやった方が、彼の持つ絶望感や虚脱感は醸し出せるかもっていう意見はすごくありがたかったです。
イメージは僕から伝えて、それを永井さんが広げてくれるみたいな。
――他に撮影の裏話があれば教えてください。
内藤:永井さんが飛び降りるシーンで、落ちるシーンはスタントマンなんですが、ギリギリの高いところまで上がるシーンはご本人にやってもらいたくて。それが飛び降りる高さが2段目まであるんですが、危ないので1段目まででいいですよと伝えたのに、ご本人の意思で2段目まで上がってもらって…。結果、本人がその場に上がることで役の緊張感も伝わる映像になったので、そこは永井さんにありがたかったかなって今思いますね。
――永井さんは高いところは平気なんですか?
永井:そうですね、ここでスタントマンなしで落ちたっていいかなってちらっと思っていたり…(笑)。やっぱり見ている側も、引きの画でそこまでの高さまで立ってる姿を見せた方が緊張感もでるかなと思って。まぁ本当に落ちたかったんですけど(笑)。
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