白石隼也「僕じゃなきゃできないものがある」

2018/01/05 07:00 配信

映画 インタビュー

白石は「圧倒的にサッカーが好きだっていう思いでやっているというのは自分に近いのかなって思いました」と明かす


――2017年はどんな年でした?

27歳になって、30歳が間近に迫ってきたっていうのを強く感じた年ではありましたね。早く大人になりたいというか。

20代前半から早く大人になりたいっていうのをすごく感じていました。生意気って言われることも、もう少し年齢を重ねたらそれが薄れるのかなって思って。

苦労話とかできるようになったら、もっと説得力が増すのかなとか、そういう思いが漠然としてあったんです。

そういう年齢を感じた年だからこそ、祖父と祖母が元気なうちに何か孝行したいなと、強く意識した年になりましたね。

親父もことしで還暦を迎えて、自分もそろそろちゃんと自立して、もし親父が倒れた時や病気をした時とか、僕が面倒見ていけるようにならないといけないってすごく感じたから、もうちゃんとやらないとって。いろいろ考えました。

――そんな思いがお仕事への姿勢にも何か変化させましたか?

仕事に対してのスタンスは変わっていないんですけど、納得いくものを作っていきたいなって思うようになりました。若い時は何でも出演出来たらいいって思いがどこかにあって、でも今はちゃんと自分が納得したものに出たいし、出たからには納得できるものを作りたいなって。

今回、「ホペイロの憂鬱」でも、久々の主演映画でそれを強く思ったというのもありましたね。そういうのが空回って監督に毎晩電話しちゃったのかな(笑)。

――2018年はさらにご自身に負荷をかけていく年になりますか?

焦ってもしょうがないと思っているので、ぶれずに一個一個誠実にやっていくしかないかなと思っています。

プライベートでは、海外でサッカーをやっている友達の試合を現地まで見に行きたいなって。同い年の友達なので、サッカー選手としてプロのピッチに立っている姿を見たいなって。いい刺激になるんじゃないかなとも思うし、単純に彼らの生きざまを見てみたい。

2017年を振り返り「27歳になって、30歳が間近に迫ってきたっていうのを強く感じた年ではありました」という白石


――たくさんすてきなお話をありがとうございました! 最後に見どころをお願いします。

舞台はサッカークラブですが、描かれているのは一つの組織や会社の中でそれぞれ違った役割を持った人たちがどういうふうに自分の仕事をして、そして周りと協力していけば組織として、どううまく回るのかということが描かれている作品だと思っています。

ある意味仕事論というか、仕事との向き合い方というかそんな作品にもなっているんじゃないかなと思います。サッカーに興味がある方、特にJリーグが好きな方には共感してもらいながら、自分が好きなクラブと重ねて見てもらえると思いますし、サッカーに興味がない方でも、働く人そして、組織や学校、コミュニティーに入っている人なら共感できる映画になっていると思いますので、ぜひこの映画を選んでもらえるとうれしいです。

また、ホペイロという職業の地位向上、これからホペイロになりたいと思っている人たちのモチベーションになれば、光栄ですね。

取材・文=中村リリー

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