――池田エライザさん演じる聡子との友情の面で、夏帆さん個人としてはこの2人の友情は理解できますか?
こういう関係は実生活ではなかったのですが、「分かるな~」と共感できるところはありました。一番仲のいい友達に対して、恋愛感情まではいかないですけど、それに近い独占欲みたいなものを感じることがあるんですよね。
相手のことをすべて知りたいと思うし、その相手が他の人に夢中になっていると、すごく嫉妬をしてしまう。それでいて、相手と自分を比べて優劣をつけてしまったりして。そういう気持ちはすごく分かります。
――では、伊藤くんのような“モンスター級の痛男”が周りにいたら、夏帆さんは性格を直そうと接するか、一定の距離を置いて関わらないのか、どちらだと思いますか?
難しいですよね。恋愛が絡んでくるとたぶん周りが見えなくなるでしょうから。相手がどういう人物でも、自分の中で正当化してしまって美化しちゃうでしょうし…。
どういう人物なのか正常な目で見られなくなる。それが“恋の病”ということなんでしょうけど(笑)。その方と接してみないと分からない部分ですね。
実際に自分がそういう伊藤くんのような人と出会ったとしたら、警戒するでしょうね(笑)。人はそう簡単に変わらないと思うので、変えようとするのではなく、自分が変わっていくしかないと思います。
――伊藤くんって、大体の人が「あんなやつ理解できない…“けど”」という、“けど”がつく感じですよね。少しは分かる部分もあるというか。
もしかすると自分にもそういう部分があるから理解は“したくない”とも言えますよね。自分の駄目な部分を認めたくないというか、見ていて自分に返ってきて痛々しいというか。
伊藤くんのような人はいないだろうけど、でもちょっとどこかにいそう。そのバランスがとても絶妙なキャラクターですよね。
――それに対する実希の気持ちは理解できますか?
実希を演じていて頭では分かっていても、実際に動いてみると理解できない行動が多々ありました。「いくら鈍感でも、ここまでされたらさすがにクズケン(中村倫也)の気持ちに気付くでしょう!」とか(笑)。
本当に伊藤くんしか目に入っていないてことですし、それだけ盲目になる恋愛ってすごいですよね。でも、その純粋な真っすぐさが実希の魅力なんだと思います。
実希だけじゃなく、映画を見ていて思ったのが、それぞれのキャラクターがすごくいとおしいですよね。ツッコミどころはたくさんありますが、不器用で、一生懸命生きている。自然と応援したくなりました。
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