又吉直樹と西野亮廣 対談「替えの効かない存在になりたい」(連載第四回)

2018/01/09 12:00 配信

芸能一般

同期で同い年、共に芸人の活動範囲を押し広げ活躍しながら、なぜかすれ違ってきた又吉直樹西野亮廣。「別冊カドカワ 総力特集 又吉直樹」誌上で実現した二人の対談の模様を、お伝えする本企画の、第四回目です。

又吉直樹と西野亮廣


表現を極めることで替えの効かない存在に


西野 二十五歳のころは、立川志の輔師匠にすごい憧れた。まずは「絵」として美しいじゃない、落語って。座布団があってマイクがあって、その一点をみんなが見てるって、めっちゃかっこよかった。あとは一か月間パルコ劇場を埋めて一万人くらいの人が立川志の輔だけを見に来ているという圧倒的事実。それで、自分のスケジュール表を見たら番組のタイトルに(仮)って入ってて。「なんだこれは?」と思った。俺は替えが効くけど、立川志の輔は立川志の輔じゃないとダメだっていう。

又吉 僕がミュージシャンを見て感じることとたぶん一緒で、替えが効かへん人間に早くなりたいなっていうのが、割と若いころからあって。「誰でもできるやん」っていうのは、僕よりうまくできる奴いっぱいおるわって思っちゃうんですよ。だから、自分しかできへんことをできるようになりたいっていうのは、まだ見つかってないですけど、ずっとそう考えてる。今やろうとしてるんですけど、まだ一人でできてないんで。いろんな人の助けがないと。もうちょっとやらんとな、と思ってます。

西野 僕も一人でやってないよ。スタッフは超多いから。本を書くにしろ、一人じゃ無理! だから、なんかサービスを作るって言ったら、そこにはエンジニアがいっぱい入って、みたいなことになる。一人では絶対に無理です。

又吉 ディズニー倒すんやもんな。すごいよなあ。

西野 うん、倒してみる。

又吉 すごいよなあ。

西野 テレビは一年目、二年目は所在なさを感じることがあったなぁ。なんかこれ、僕がいなくてもこの場は絶対回るし、この番組のおもしろさ、僕がいてもいなくてもあんま変わんない、とかね。最近はしょっちゅういじってもらえるようになったけど。

又吉 僕も結構あるかもしれない。でも、どこにおってもあるけどね。全員友達のはずの飲み会でもある(笑)。「浮いてんなぁ」とか、「今日入って行かれへんなぁ」とか。そういう時はありますね、どうしても。昔からそれは続いてると思うんですけど。この間『ゴッドタン』に出させてもらって、劇団ひとりさんの乳首をなめる運びになったけど、僕はもう、うれしいなって思って。こういう扱いしてもらえるんや、みたいな。ああいうふうにやってもらえると助かりますけど。楽しいし。西野くんは、ほんまにTシャツ破られてるの嫌がってるって。

西野 僕は嫌なんですよね。ウケてるスベってるとかじゃなくて、もう一回あの服を買いに行かなきゃいけないから。あの服、超お気に入りなんだよ。

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